平成27年度 第1回土日集中セミナー
<終了レポート>
 

 

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平成27年度第1回は4月25、26 日の両日、「こころ豊かに生きる地域を目指す」をテーマに開催しました。

講師には囲碁九段の安田泰敏氏、東京おもちゃ美術館の多田千尋館長と石井今日子氏、NPO法人翔和学園理事・学園長の伊藤寛晃氏を迎え、コミュニケーションツールとして注目されている「ふれあい囲碁」と「木育」について理解を深めました。

 

 

 

 

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「ふれあい囲碁」は安田氏が中学生のいじめ自殺の報道を見て始めたものです。いじめられ、自殺した子どもの遺書には、両親に相談できなかったことへの謝罪の文面がつづられていたそうです。最も身近な存在である両親にすら相談できない環境を嘆き、誰かに相談できるきっかけの重要性に気付き、「人と人とつなぐ接着剤」として「ふれあい囲碁」に行きついたそうです。今回のセミナーでは、まず「ふれあい囲碁」を試すところからスタートしました。講師の方々も交えて楽しみながら緊張もほぐれていきました。対戦前には自己紹介のほか、お互いの夢を語りあう時間もあり、よりこころを通わせることを実感しました。「ふれあい囲碁」は虐待防止や高齢者とのコミュニケーションの促進、保育園での導入など、多くの効果と広がりを見せています。どこでも誰とでも接することが重要であり、「囲碁でなくてもよい。向き合い、ふれあうきっかけが大切」との安田氏の言葉が印象的でした。

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 ふれあい囲碁を実際に活用しているNPO法人翔和学園学園長の伊藤氏からもお話をいただきました。翔和学園では発達障害やそれに類似する苦手さをもつ若者たちの「生きていく気力」を育む教育を行っています。発達の凹凸を持った人は集団で行動していても心では孤独を感じることが多いそうで、周囲の環境だけでなく、本人自身も変わることが大切ではないかという考えのもと、翔和学園では他人から受け入れられる経験、大切にされる経験を得ることで仲間と共同して行動できるようにすることを目指しています。そのコミュニケーション手段として「ふれあい囲碁」を導入し、相手のことを考えられるようになったり、勝敗だけにこだわらず、新たな価値観に気付くことなどに効果が出ているそうです。

 

 

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 東京おもちゃ美術館館長の多田氏からは「木育」の取組と理念についてお話をいただきました。「木育」は子育て支援の一面だけでなく、暮らしの中に木を積極的に取り入れ、国産材の活用を推進することによって国内林業の復活を目指す大きな取組です。多田氏は木育の取組の一つとして建物の木質化の効果に触れ、例えば東京おもちゃ美術館にある「赤ちゃん木育ひろば」では「赤ちゃんが泣かない」「母親が携帯をいじらない」「父親の滞在時間が長い」などの効果が出ているそうです。

「木育」の活動は、地域内はもちろん、より小さな単位である家庭から人と人との豊かなつながりを生み出す可能性を秘めていると感じました。

  H27 donichi1st rpt pic5   同じく東京おもちゃ美術館の石井氏からは、「赤ちゃん木育サポーター」について説明がありました。子育ての現場には自然に多様な人が子どもとふれあえる風景が必要だという思いから、東京おもちゃ美術館に集う多種多様なボランティアの方々による多世代交流の促進を目指していると強調されていました。親子間であっても、虐待一歩手前のグレーゾーンにある人々を救うのは地域の力であり、「赤ちゃん木育サポーター」との交流がその一助になれたらというお話に、参加者の皆さんは皆深く頷いていました。

初日の交流会前には「夢大会」を開催し、お互いの夢を披露し、その夢を応援するために自分はどんなことができるのか考えました。相手のためにできることを考えていると、実はその応援自体が自分の夢の実現へとつながっていることがわかり、相手のために、寄り添うことの素晴らしさを皆が実感しあいました。「ふれあい囲碁」で心を通わせた後の「夢大会」は格別です。

講師の先生方のお話をふまえて、参加者も交えたパネルディスカッションも実施しました。「生きづらさを感じる人々の孤独感に向き合う」「地域の人々とともに歩んでいくためには」「虐待を防止するために我々ができること」といった種々のテーマで話題提供があり、「真に相手の立場に立って考え、行動すること」こそが重要なのではないかという一つの結論に達しました。

我々を取り巻く状況の中には、専門家にしか対応できないこともたくさんあります。しかし、身近な部分に目を向ければ、地域の力でこそ対応できるものもあるのではないでしょうか。垣根を外し、地域内の人と人がつながりあうことが重要です。その手法の一つとして「ふれあい囲碁」や「木育」を活用してほしいという講師の想いが参加者の皆さんに浸透した会となりました。

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プログラム詳細

【実践】

ふれあい囲碁を体験してみよう

【講義1】

安田泰敏氏(一般社団法人IGOコミュニケーションズ理事長・日本棋院プロ九段)

【講義2】

伊藤寛晃氏(NPO法人翔和学園理事・学園長)

【講義3】

多田千尋氏(認定NPO法人日本グッド・トイ委員会理事長・東京おもちゃ美術館館長)

【講義4】

石井今日子氏(認定NPO法人日本グッド・トイ委員会)

【夢大会】

【パネルディスカッション】

 

※チラシは こちら (PDF/755KB)

連絡先 総務企画部 クリエイティブ事業室 TEL:03-5202-6134 E-mail:creative@jcrd.jp【「@」は半角に置き換えてください】