【終了レポート】令和4年度【スタンダード型(平日半日型)】新たな知と方法を生む地方創生セミナー パブリックスペースの活用による地域活性化~人々が集う活力あるまちづくり~
終了レポート
2023年02月21日
令和4年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「パブリックスペースの活用による地域活性化 ~人々が集う活力あるまちづくり~」を12月16日(金)にオンラインを併用して開催しました。全国各地から自治体職員など13人が参加しました。
講義Ⅰ
国土交通省 都市局 まちづくり推進課 企画専門官 乃口 智栄 氏

神戸市役所より2022年4月に国土交通省へ出向。神戸市では、地域コミュニティ交通の導入支援や郊外住宅団地の再生に取り組む。現職では、都市再生推進法人制度や全国のエリアマネジメント活動の支援など官民連携まちづくりの推進を担当している。
「パブリックスペース活用の考え方」
国土交通省の乃口智栄氏は、公共空間の利活用の方法について講義しました。
乃口氏は、民間による自治体の公共空間の収益活動が積極的に認められるようになり、キッチンカーの出店や広告の掲示などが可能になったと紹介。官民連携のまちづくり事業が展開されることで、雇用創出や来訪者の滞在時間の増加、資産価値の維持・向上など、さまざまな効果が表れていると述べました。市町村が作成する都市再生整備計画に公共空間の活用について記載することで、規制緩和や特例が講じられるといったメリットについても説明しました。
講義Ⅱ
公共R不動産 コーディネーター 飯石 藍 氏

株式会社nest取締役。公共空間活用に関するメディア「公共R不動産」にて、公共空間活用に関する情報発信、発注のプロセスデザイン、リサーチ、自治体との公共空間活用プロジェクト、新たなマッチングの仕組み「公共空間逆プロポーザル」、公共不動産流通サービス「公共不動産データベース」など、公共空間のクリエイティブな活用に向けた様々な事業を企画推進している。
「まちの価値を⾼めるクリエイティブな公共空間活⽤」
公共R不動産の飯石藍氏は、公共空間をまちの人にとって必要な場所にする取り組みについて講義しました。
公共空間の活用に参入する企業が増える中、企業が自社の土地を住民向けに開放するなど、民間施設の「公共化」も広がっていると紹介。取り組む際は最初から大きな事業としてではなく、ニーズを探る社会実験として始めることで、行政の負担が軽減され民間の参入も容易になると解説しました。参加企業を募集する際は、目的や、どんな企業に参加してほしいかなどを明確にすることが重要だと述べました。
講義Ⅲ
墨田区役所都市整備部道路公園課 浮貝 忍 氏

建設会社等での⺠間経験を経て、2010年、墨⽥区役所に入庁。2020年から「そよ⾵L@B,」というチームを組成し、公園を中⼼とした公共空間活用由来の地域の豊かな日常を創出するため、自ら使いながら取組を開始。現在は、公共空間活用が、区の観光・産業振興・地域振興等の側面にどのような効果をもたらすか研究を進めている。
「とある公共空間の利活用促進」
墨田区の浮貝忍氏は「利用者が利活用したくなる施設」を目指す取り組みを紹介しました。公共空間活用では、利用者がどんな「思い」で使うかが重要だとし、隅田公園では利用者が使い方を自由に決められるように未完成の施設を設置していると解説。「ジブンチノニワ」をテーマに、〝じぶん〟のやりたいことができ、共有できる空間づくりを進めており、まずは、職員が施設の使い方を模索し、それを元に利活用の攻略本(パンフレット)を作成したとのことです。職員も、利用者と同じ立場で申請手順を踏み、イベント後には必ず分析を実施したそうです。浮貝氏は、個人の思いと交流・他者配慮を基に管理していきたいと述べました。
グループワーク&発表・講評
グループワークでは自治体の公共空間の活用の方法について意見交換。発表に対する講評では、まずは行政が外部の人に興味や関心を持ってもらえる活動を始めてみる、「行政だから」という考え方をやめる、自分が地域活動に参加し、接点を持つ、などの助言がありました。
セミナーを終えて
公共空間の利活用には、視野を広げること、小さな取り組みから始めること、伴走して取り組むことが必要であることが分かりました。また、国の制度を活用し、民間企業や市民が参加しやすくすることも大切だと感じました。
スケジュール
12月16日(金)
13:10~13:20 |
開講式 |
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13:20~14:00 |
講義Ⅰ:パブリックスペース活用の考え方(乃口 氏) |
14:05~15:05 |
講義Ⅱ:まちの価値を⾼めるクリエイティブな公共空間活⽤(飯石 氏) |
15:15~16:15 |
講義Ⅲ:とある公共空間の利活用促進(浮貝 氏) |
16:25~17:05 |
グループワーク、トークセッション等 |
17:05~17:15 |
閉講式 |