【終了レポート】令和3年度地方創生実践塾in岩手県紫波町 

地方創生実践塾 終了レポート

2021年05月13日

オガールからはじまる暮らし心地の良いまち

令和4年1月21日(金)に、「オガールからはじまる暮らし心地の良いまち」をテーマに地方創生実践塾を、オンラインで開催しました。全国各地の自治体職員など14名の方に参加いただきました。

【令和4年1月21日(金)】オンライン

実践塾開始に先立ち、紫波町副町長の藤原 博視彦氏より、歓迎のご挨拶をいただきました。

講義①「オガールからはじまる暮らし心地の良いまち~正のスパイラルをつくる~」
講師:鎌田 千市 氏(紫波町企画総務部企画課長

主任講師の鎌田氏から「民間主導型の公民連携(PPP手法)」を用いた、オガールプロジェクトにおける「官」と「民」の役割分担や、オガール地区にあるそれぞれの施設を基に、稼ぎながら持続させる仕組みについてご講義いただきました。

 民間に委ねる覚悟を決めてPPP手法導入のための第三セクターを設立し、プロジェクト推進のために町民との意見交換を2年間で100回も行いました。また、エリア価値の向上を図るためにオガール・デザイン会議を設置し、建築やデザインに精通したメンバーでまちのブランド化に取り組みました。こうした入念な事前準備の結果、地価公示価格は8年間で11.43%上昇し、エリアとしての価値の向上につながっています。

 また、町の総合振興計画では「暮らし心地の良いまち」を目指しています。町民参加条例に基づき、町民の意見を反映しており、「成行き的な未来=負のスパイラル」ではなく、「未来のビジョン=正のスパイラル」を意識したまちづくりに取り組んでいます。

 オガールプロジェクトを推進していく上で、行政主導ではなく民間主導だからこそできることや民間に委ねながらも任せっきりにならないことは、行政事業において行政側の意識として持っておかなくてはならないものだと感じました。また、事業に住民の意見を反映するためには、意見だけを聞くのではなく、行政も住民も一緒に考えていくことが大切であると改めて感じました。

講義②「無いなら、自分でつくろう
講師:ハワード・ドナルド・ジェファーソン 氏( 紫波サイダリー代表社員

2006年にNYから岩手県に移住したハワード・ドナルド・ジェファーソン氏から、紫波町で英会話スタジオ「HEC」やりんごのホップサイダーを醸造する「紫波サイダリー」を始めたきっかけや取組についてご講義いただきました。

自身の取組は町民同士の繋がりに支えられており、町に無いものを諦めるのではなく"無いなら、自分でつくろう"という意識で行動をすることの大切さ、そして、紫波町はその実現が可能な町であることを語られました。

講義③「人をつなぎ、巻き込むことで新しい動きに
講師:鷹觜 賢次 氏(藤屋食堂

紫波町で藤屋食堂を営む鷹觜氏から、日詰商店街エリア活性化のための取組内容についてご講義いただきました。

地域資源である酒かすを使った新メニューの学生インターン生との共同開発や、「日詰おさんぽカフェ」「日詰さんさん朝市」の開催など、町の魅力を様々な形で引き出すことで、それぞれの小さな活動が連鎖し、町の住み心地や自分の暮らしがより良くなっていくことを学びました。

講義④「失敗する民間主導型公民連携
講師:岡崎 正信 氏(株式会社オガール代表取締役

最後はオガールプロジェクトの立役者である岡崎氏から、「失敗する民間主導型公民連携」と題し、とまちづくり議論の出発点や課題解決のための公民連携の正しい在り方や必要な視点についてご講義をいただきました。

 講義では、従来のやりたい事から入る事業ではなく、動機や情熱をはっきりと言語化することの重要性や、共感が増えることで継続可能なまちづくりの可能性が広がることについての説明がなされました。また、民間、公共事業に限らず、失敗する一番の原因は変化に対応できないことであることを教えていただきました。

最後に

今回の講義を通して、紫波町での暮らしをより良くするために町民が自ら様々な行動を起こし、行政がその思いや行動を受け止め、町として町民のやりたいことを実現していくことの大切さを学びました。

オンラインの開催となりましたが、画面を通して紫波町の人々の情熱が伝わる貴重な1日となりました。

集合写真FB.png

「紫波町」の「し」マークで集合写真

カリキュラム 

<1月21日(金)>オンライン

1.開講式

2.実践塾のねらい・イントロダクション

3.講義①「オガールからはじまる暮らし心地の良いまち~正のスパイラルをつくる~」

  主任講師:紫波町企画総務部企画課長 鎌田 千市 氏

4.講義②「無いなら、自分でつくろう」

  講師:紫波サイダリー代表社員 ハワード・ドナルド・ジェファーソン氏

5.講義③「人をつなぎ、巻き込むことで新しい動きに」

  講師:藤屋食堂 鷹觜 賢次 氏

6.講義④「失敗する民間主導型公民連携」

  講師:株式会社オガール代表取締役 岡崎 正信 氏

7.写真撮影・閉講式

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp