【終了レポート】地方創生実践塾in岐阜県飛騨市

地方創生実践塾 終了レポート

2021年09月02日

官民協働による地域資源の活用~地域おこし協力隊が中心となって取り組む薬草を活用した地域づくり~

令和3年7月17日(土)、18日(日)の2日間、岐阜県飛騨市を舞台に、「官民協働による地域資源の活用~地域おこし協力隊が中心となって取り組む薬草を活用した地域づくり~」をテーマとして、令和3年度2回目の地方創生実践塾を開催しました。全国各地の自治体職員や民間企業社員、地域おこし協力隊など総勢16名のご参加をいただきました。

7月17日(土)

実践塾開始に先立ち、特別講師である飛騨市長の都竹淳也氏より歓迎のご挨拶をいただきました。

講義1「まちづくりの視点から見た地域資源の可能性」 特別講師 都竹 淳也氏(飛騨市長)

 続いて都竹市長より、飛騨市として地域資源としての薬草に着目し、薬草のまちづくりを進めてきた経緯、そして要となる地域おこし協力隊・岡本文さんとの出会い、現在の取組や今後の展望などについてお話いただきました。

 飛騨市では、薬草を活用した地域づくりを推進するために、市役所内に部署を跨いだ横断的な組織を結成しています。

また、NPO法人、地域住民、民間企業、行政が自由な発想のもとに気持ちよく活動するため、そのつなぎ役として地域おこし協力隊を採用しています。立場も違うそれぞれの団体を、中立的立場でつなぐ大切な役割に、今回の主任講師である岡本文氏を抜擢しました。

 「理想の官民協働の姿とは、本来の各々の活動を大切にし、自由に気持ちよく活動できることだ」という都竹市長の言葉が印象的で、無理に1つにしようとするのではなく、同じ方向を向きながらゆるやかにつながることの大切さを学びました。

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講義2「地域資源を活用した魅力的なまちづくり」 主任講師 岡本 文氏(飛騨市地域おこし協力隊)

 地域おこし協力隊の岡本文氏から、薬草との出会いや地域おこし協力隊として飛騨市に移り住んだ経緯、地域住民とどのように連携しながら活動してきたのかをご講義いただきました。

 岡本氏がつなぎ役として意識していることは、あらゆる活動に参加をし、まずは地域の暮らしや言葉を知ることだといいます。その中につなぎ役としてのヒントが隠されており、それらを丁寧に汲み取っていくことを大切にしているそうです。

 岡本氏が地域住民とのコミュニケ―ションを大切にし、飛騨の暮らしに溶け込んだ活動をしているからこそ、地域資源を活用したまちづくりにおいて官民が連携しながら同じ方向に進めたのだと感じました。

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フィールドワーク(「ひだ森のめぐみ」施設見学、野草茶試飲、七味作り体験)

 飛騨市の薬草体験施設であり拠点でもある「ひだ森のめぐみ」内のショップや、2階のギャラリー室を見学しました。ギャラリー室には、薬草を用いたハーバリウムや薬草の標本などが飾られ、野草茶が提供されるなど居心地の良い空間となっています。

 また、人気のワークショップである「薬草七味作り」も体験しました。16種類の薬草について効能や味・香りなどの説明を受けながら、思い思いに七味作り体験を楽しみました。

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講義3「地域資源としての「薬草」の活かし方」 特別講師:北平 嗣二 氏(NPO法人薬草で飛騨を元気にする会理事長)

 「NPO法人薬草で飛騨を元気にする会」理事長の北平氏より、薬草の活かし方についてご講義をいただきました。「NPO法人薬草で飛騨を元気にする会」は、全国薬草フェスティバルinひだや、飛騨市薬草フェスティバル、薬草講座の開催、薬草コンシェルジュの育成など数多くの活動に取り組んでいます。市民自ら山に入り、自制している薬草を採取し、その薬草で市民が健康になれば、健康寿命の延伸や医療費の削減にもつながり、飛騨市全体を元気にすることを目標にしています。

 北平氏から、自身の料亭「蕪水亭」で薬草料理を提供するに至った経緯や想いを聞き、地域のために薬草が果たす役割とその可能性について学ぶことができました。

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7月18日(日)

フィールドワーク(身近な場所に潜んでいる薬草の見学)

 実践塾2日目は、フィールドワークでスタートしました。

市内の中心にある、飛騨市役所からバスで5分ほどの場所にある山の麓に移動し、自生する薬草を見つけながら山道を散策しました。葉や花の特徴による薬草の見分け方、効能などについて説明を受けつつ、身近さを感じながら歩き、薬草によって香りが全く異なることも大きな発見でした。

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講義4「現代に息づく薬草と地域連携について」  特別講師:白川 靖之 氏(アルプス薬品工業株式会社)

 アルプス薬品工業株式会社の白川氏より、飛騨市に本社を構え生薬製造を営むアルプス薬品の事業について同社がまちづくりにどのように関わっているのかをご講義をいただきました。

 白川氏は中心人物として民間企業ならではの考え方や知識、積み上げてきた資産やノウハウや経験を活かし、飛騨市と共に生薬標本の展示やワークショップの運営などに携わっています。中でも、ハーバリウムやサシェづくりは人気のワークショップで、薬草を身近に感じてもらうことに一役買っています。

 また、社内には部署を越えて飛騨市内の薬草について活動できる環境が整備されており、こうした点も官民連携がうまくいく要因なのではと感じました。

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グループワーク

 この2日間の講義やフィールドワークを通じて学んだこと、そしてその学びをどのように活かしていきたいかについてグループに分かれ意見交換後、発表を行いました。

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 この2日間で、地域資源の掘り起こし方や見つけ方、官民がゆるやかにつながりながら自由に活動することの大切さなどを学びました。また、都竹市長より、地域資源を見つけるには「人の話を面白がる『面白がり力』が大切だ」というヒントもいただき、明日から早速実践しようと思います。

DSC02291.JPG         ※撮影時のみマスクを外しています。

カリキュラム

7月17日(土)

13:30~13:50 開講式

13:50~14:30 講義1 特別講師:都竹 淳也 氏

  「まちづくりの視点から見た地域資源の可能性」

14:40~15:30 講義2 主任講師:岡本 文 氏

  「地域資源を活用した魅力的なまちづくり」

16:00~17:10 フィールドワーク

  薬草体験、ショップ見学、野草茶試飲

17:30~18:00 講義3 特別講師:北平 嗣二 氏

  「地域資源としての「薬草」の活かし方」

18:15~20:15 交流会(薬草料理)

7月18日(日)

9:15~10:00 フィールドワーク

  身近な場所に潜んでいる薬草の見学

10:30~11:00 講義4 特別講師:白川 靖之 氏

 「現代に息づく薬草と地域連携について」

11:05~11:45 グループワーク(意見交換)

11:45~12:30 昼食(薬草カレー)

12:30~13:20 グループワーク(発表、講評)

13:20~13:30 閉講式

連絡先

地域創生グループ
TEL:03-5202-6136  E-mail:chiiki@jcrd.jp