【終了レポート】令和4年度 地方創生実践塾in神奈川県真鶴町
地方創生実践塾 募集終了 終了レポート
2022年10月18日
ローカルから未来をつくる~真鶴町の民力で共創する多様な暮らし~
令和4年8月26日(金)~27日(土)の2日間、神奈川県真鶴町で、「ローカルから未来をつくる~真鶴町の民力で共創する多様な暮らし~」をテーマとして、 令和4年度地方創生実践塾を開催しました。
全国各地の行政職員や大学生など23名にご参加いただきました。
令和4年8月26日(金)【1日目】
・トークセッション①「真鶴をほぐす」
主任講師:真鶴町政策推進課 課長補佐 卜部 直也 氏
講 師:九州大学大学院法学研究院 教授 嶋田 暁文 氏
地域活性化センターフェロー・人材育成プロデューサー 前神 有里 氏
主任講師の真鶴町政策推進課課長補佐の卜部氏、九州大学大学院法学研究院教授の嶋田氏、地域活性化センターフェローの前神氏によるトークセッションでは、真鶴町での地域活性化の取組についてお話しいただきました。
取組の一つである「真鶴町活性化プロジェクト」は、4、5人のチームごとに地域を盛り上げる事業を企画、実施する取組です。プロジェクトチームのメンバーは若手の町職員と公募で集まった住民です。
この取組では駅舎にある観光案内所のリニューアルなどを行いました。プロジェクトの成果を見える化することでやりがいを生み出し、住民の中に漂う「何をやってもムダ」という諦めムードを打破していきました。また、朝市「真鶴なぶら市」 は平成26年のプロジェクト開始から現在まで住民の間に深く根付いています。こうした取組を一つ一つ積み上げた結果として何かの形となる、という帰納法的な考え方が地域づくりには大切というお話もいただきました。
※卜部講師(写真左)と嶋田講師(写真右)
・トークセッション②「民力で共創する地域づくり」
講師:卜部 直也 氏、嶋田 暁文 氏、前神 有里 氏
真鶴テックラボ 柴山 高幸 氏
真鶴出版 川口 瞬 氏・來住 友美 氏
㈱ヤブタ建設不動産・月光堂 永島 絢子 氏
トークセッション①に登壇された3名と真鶴テックラボ運営者の柴山氏、真鶴出版の川口氏、來住氏、株式会社ヤブタ建設不動産の永島氏によるトークセッションでは、それぞれの事業の内容や、真鶴町に移住やUターンしたきっかけについてお話しいただきました。
それぞれの事業に共通していることは、人と人が繋がる場所をつくっていることです。小さな工場、泊まれる出版社、サテライトオフィスなど地元の人たちと町外の人たちが関わる場所をつくって、町に来た人が地域に溶け込める環境ができていました。こうして町に住む人たちのあたたかさに触れ、移住する人が出てくるのだと感じました。
また、Uターンに関しては、小さいころから町で育ってきた人が進学や就職を機に、ほかの町を見てみたいと思うことは健全なことだというお話がありました。住民(特に若者)の域外流出に悩む地域も多いと思いますが、それは仕方のないことと割り切って、戻ってきたくなる面白い町をつくることが大事というお話をいただきました。
※質疑応答の様子
令和4年8月27日(土)【2日目】
・フィールドワーク
半日をかけて真鶴テックラボ・ペペコーヒー、コミュニティ真鶴、ロッキンビレッジ、月光堂・ブルーツリー、真鶴出版を訪れました。
ペペコーヒーは、真鶴テックラボ内のシェアキッチンを利用した喫茶店です。店内はDIYで改装されたことで費用がほとんどかからずに開店でき、住民、特に港で働く人たちの憩いの場となっています。また、東京や横浜など都心から訪れる人もいます。
コミュニティ真鶴は、真鶴町の空き家バンク窓口を併設するコミュニティスペースです。訪問中もたくさんの子どもたちが施設内で遊んでいました。また、会議室では打ち合わせが行われており、老若男女問わず人が集まる活気に溢れた場所でした。
ロッキンビレッジは、空き家をリノベーションしたコワーキングスペースです。海の近くに立地し、バーベキューができる庭がついています。アウトドア好きな人にとって魅力的な場所です。
月光堂は、駅前にあるシェアオフィスです。町を見渡せるワーキングスペースや会議室が整備されています。さらに、施設内にはキッチンやキッズスペース、美容室があり、小さい子どもがいる人たちが利用しやすい点が特徴です。
ブルーツリーは町内唯一のコインランドリーでありながら、サテライトオフィスでもある施設です。施設内には4か所のブースがあり、月額料金を払うことで商品の販売ブースなどとして利用できます。会計は店舗入口のカフェが代行するため、店番をせずに商品の制作に集中できる点が、個人事業主の方に喜ばれているそうです。
真鶴出版は「泊まれる出版社」です。町に関する本などを出版しながら、民泊を行っています。現在は一日一組限定で受け入れているそうです。
※講師の説明を受けながらフィールドワークを行う
・最後に
トークセッションを聞き、現場を見て回ることで、真鶴町には新たに事業を起こす人たちを町として応援する環境が整っている点、地域の人たちが集まる場所が形成されている点を学びました。
また、移住者を呼び込むポイントとして、
・自然が豊かなこと
・子どもを連れてきてもいい職場が多く子育てがしやすいこと
・兼業できる環境があること
・町という小さなサイズ感が、地元の人たちとのつながりが作りやすいこと
があるのだと感じました。
町の活気は、真鶴町活性化プロジェクトに代表されるような、町職員と住民が一体となって、目に見える小さな成果を積み上げることで生まれていると実感でき、非常に充実した2日間になりました。
・カリキュラム
<8月26日(金)>
1.開講式
2.トークセッション①「真鶴をほぐす」
主任講師:真鶴町政策推進課 課長補佐 卜部 直也 氏
講 師:九州大学大学院法学研究院 教授 嶋田 暁文 氏
地域活性化センターフェロー・人材育成プロデューサー 前神 有里 氏
3.トークセッション② 「民力で共創する地域づくり」
講 師:卜部 直也 氏、嶋田 暁文 氏、前神 有里 氏
真鶴テックラボ 柴山 高幸 氏
真鶴出版 川口 瞬 氏・來住 友美 氏
㈱ヤブタ建設不動産・月光堂 永島 絢子 氏
<8月27日(土)>
1.フィールドワーク
2.2日間の振り返り・講師の講評
3.閉講式