【終了レポート】令和4年度 地方創生実践塾in北海道富良野市

地方創生実践塾 募集中 終了レポート

2023年02月01日

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公民連携によるまちづくり~フラノマルシェを核にした中心市街地活性化の取組~

 今回の地方創生実践塾は令和4年10月7日から8日にかけて「公民連携によるまちづくり~フラノマルシェを核にした中心市街地活性化の取組~」をテーマに開催されました。富良野市での開催は初であり、市がどのようにして中心市街地の活性化に成功したのかなど、公民連携によるまちづくりの手法を学ぶために全国から地方公共団体職員等16名 が参加しました。

1日目:10月7日(金)

講義①フラノマルシェの奇跡 オレら責任世代によるまちづくり

講師:ふらのまちづくり株式会社代表取締役社長 西本 伸顕 氏

 

 特別講演として、ふらのまちづくり株式会社代表取締役社長の西本氏から、「フラノマルシェを核とした民間主導型の中心市街地の活性化」について、フラノマルシェの成功要因を紐解きつつ、ご講義いただきました。

 フラノマルシェの成功要因については、前提として、地域センター病院の移転により、「中心市街地(五条商店街)の将来に対する危機意識」が市民に共有されたことで、オール富良野のまとまりが生まれたことがあると述べられました。また、危機感が共有されたことにより、一人のリーダーではなく、民間、行政の多彩な人材(プチリーダー)がコラボレーションしたこと、スピード感をもって取り組んだこと、そして、ないものねだりではなく、今ある町のポテンシャル(食資源・地域ブランド)を再発見し、行政に頼らずにやる切る覚悟があったことを挙げられました。

 その上で、成功の3つの要因として、地域内経済波及効果を高めるためのローカルファースト戦略、民間と行政が互いの得意分野で役割分担をすること、そして、まち育て(づくり)に必要なミッション(当事者意識を持つことでの使命感)、パッション(まちの誇りを次世代に残すという情熱)、アクション(行動してから考える)を3つのションとして掲げたことであるとお話いただきました。

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講義②行政によるまちづくりの限界 公民連携によるまちづくり

講師:富良野商工会議所専務理事 大玉 英史 氏

 主任講師公演として、富良野商工会議所専務理事の大玉氏より、市職員時代に、行政側からフラノマルシェ立ち上げに関わった経験から、事業を行うポイントについてご講義いただきました。 事業を行う上で、大事なことは、「何がしたいの?」、「誰のために?」、「で、誰がするの?」を問いかけることで、事業の目的を明確化し、本当に必要なのかを考えることが大切であるとお話いただきました。事業化の実現性や継続性、経済性についても、コンサルタント任せの計画でなく、当事者で計画を練ることが大切だと述べられました。 また、「まちづくり」を行う際の行政の欠点は、縦割り担当任せになってしまい、職員意識のアンバランスから、人事異動で熱意が消滅してしまうことや、自治体財政能力が低くなるにつれて、まちづくりの優先度が低下してしまうことが挙げられました。その結果として、、創ることが目的になってしまい、経営能力の欠如から継続性がない事業が生まれてしまいやすいと述べられました。

 行政が得意とする役割、民間が得意とする役割の役割分担でまちづくりを行なっていくことが、欠点を補い、継続性のある事業になると感じました。

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2日目:10月8日(土)

フィールドワーク「富良野市中心市街地活性化事業視察」

 富良野のまち育てとして、中心市街地活性化事業の実施箇所を3班に分かれてフィールドワークを実施しました。

 講義の中で、富良野市やフラノマルシェの軌跡を知ることができていたため、実際にまちを歩き、マルシェの活気に触れることで、富良野市のまち育てを実感することができました。また、一部地域の事情に合わせて開発が行われていない箇所も見学しました。統一感は失われているかもしれませんが、行政がしっかり地域の思いをくみ取って、事業を進めていることを実感できるフィールドワークでした。

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さいごに

 

 今回の講義をとおして、市民と危機意識の共有をすることは非常に大事なポイントであると学びました。加えて、ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も明確に住民に伝えることで、住民と危機意識が共有でき、プチリーダーが生まれるきっかけになると感じました。

 その上で、地域内外の多彩な人材(プチリーダー)と行政・民間の役割分担をしつつ、まちづくりを行なっていくことが大切であると学びました。

スケジュール

<10月7日(金)>

○ 開講式

○ 出席者自己紹介

○ 講義①「フラノマルシェの奇跡 オレら責任世代によるまちづくり」

  講師:西本 伸顕 氏(ふらのまちづくり(株)代表取締役社長)

○ 講義②「行政によるまちづくりの限界 公民連携によるまちづくり」

  講師:大玉 英史(富良野商工会議所専務理事)

<10月8日(土)>

○ フィールドワーク「富良野中心市街地活性化事業視察」

○ グループワーク

○ 閉講式

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp