【終了レポート】2019年度第9回新たな知と方法を生む土日集中セミナー「食と農の域内サイクル ~見つめる、見つける、未来へつなぐ食の物語」

終了レポート

2019年12月04日

2019年度第9回新たな知と方法を生む土日集中セミナー「食と農の域内サイクル ~見つめる、見つける、未来へつなぐ食の物語」

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 第9回土日集中セミナー「食と農の域内サイクル ~見つめる、見つける、未来へつなぐ食の物語」を、地域活性化センターで11月9日(土)~10日(日)の二日間で開催しました。

講義の様子

「持続可能な食と農に向けて」

IMG_3441.JPG日目最初の講義では、東京農業大学国際食料情報学部国際食農科学科教授の上岡氏より、日本の食の現状とそこから生まれる課題について、農とそれを取り巻く環境を主軸にお話しいただきました。課題解決のためには、地域全体を見ることができる行政・自治体が中心となって取り組み、生産者と消費者がwin-winの関係を構築できる仕組みづくりが必要であることをご説明されました。

「これからは環境、経済、社会の総合的向上が求められる」

IMG_3441.JPG境省大臣官房環境計画課企画調査室長の岡野氏は、今の日本が抱える環境、経済、社会の課題を取り上げ、それらが相互に連関しさらに複雑化してきているため、これからは、環境、経済、社会の総合的向上が求められることを説明されました。SDGsにも触れながら、持続可能な社会のためには各地域がその特性に応じ、食や農を含めた地域資源を活かしていくこと、また私たちのライフスタイルを見直していくことが重要だとお話しされました。

「住民が暮らしや仕事を誇れるように、一人ひとりのプライドを醸成」

IMG_3466.JPG南町の寺本氏からは、邑南町が取り組む「A級グルメ」について、取組の背景からその手法、多面的に広がる効果をご紹介いただきました。少子高齢化が進む中で、まずは高齢者の活躍の場を創出することが非常に重要であり、それを起点として住民の参画意識を高めていくことができるというお話がありました。「住民を泣くほど喜ばせるのが公務員のプロフェッショナル」という言葉はとても印象的でした。

「人と人を繋いで、地域をデザインしていくこと」

IMG_3476.JPG日目は、食・農・環境についてそれぞれの自治体の強みと課題、理想とする地域のためにできることは何かを参加者同士で共有しました。それぞれの自治体の特徴は違っても、よりよい地域のためにできることにはいくつかの共通点があり、前日の講義での気づきも踏まえて発展的に考えることができました。 その後のパネルディスカッションでは、3名の講師の皆さんに参加者の抱える悩みや質問を投げかけ、多くの課題解決のためのヒントをいただきました。講師の皆さまからは、公務員は人と人をつなぐことのできる立場であり、多くのアイディアを形にしていってほしいとのエールをいただきました。

セミナーを終えて

 食・農・環境、それぞれの側面から見た地域の現状と課題、今後の可能性について考えることができました。食と農、それを取り巻く環境は相互に密接に関わっており、それらのより良い循環のために地域全体を見つめなおすことが必要だと感じました。

以上、終了レポートでした!

今後も面白いセミナーが目白押しですので、是非ご参加ください!!

講演者紹介 

上岡 美保 氏【東京農業大学 国際食料情報学部 国際食農科学科 教授】

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東京農業大学「食と農」の博物館 副館長
東京農業大学農学研究科農業経済学専攻博士後期課程を修了。博士(農業経済学)。

2016年4月より食料環境経済学科教授、2017年4月より新設された国際食農科学科食農教育研究室に配属。専門は、農業経済学、食料経済学。研究内容は、食料消費構造の変化の解析、食育・食農教育の効果及び社会的役割、地産地消の在り方等、食と農に関する調査・研究を実施している。現在、農林水産省の食料・農業・農村政策審議会委員、食育推進会議専門委員を務める。著書に、『食生活と食育-農と環境へのアプローチ-』農林統計出版(2010)等がある。

寺本 英仁 氏【邑南町役場 商工観光課 調整監】

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1971 年島根県生まれ。東京農業大学農学部卒業後、1994 年 4 月島根県石見町役場入庁。
2004年に合併した邑南町での産業おこしの取り組み(道の駅瑞穂の運営・インターネットサイトみずほスタイルの取り組み・邑南町発の全国公募型特産品コンテスト「Oh!セレクション」の立ち上げなど)を担当したことが評価され、小泉内閣発足時に発足した「地域産業おこしに燃える人」の第3期メンバーに選出。2012 年、邑南町が掲げる A 級グルメ構想を担当したことが評価され、総務省地域力創造アドバイザーに就任。

岡野 隆宏 氏【環境省大臣官房環境計画課企画調査室長】

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1997年環境庁(現環境省)入庁。主に国立公園、世界自然遺産の保全管理を担当。阿蘇くじゅう国立公園、西表国立公園で現地勤務を経験。2010年10月から2014年3月まで鹿児島大学特任准教授。2014年12月より「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトに携わり、自然の恵みの保全と活用による地域づくりに取り組んでいる。2018年8月より現職。

スケジュール(予定)

※内容が変更となる場合もあります。変更があった際は、このページ等でお知らせいたします。

1日目(11月9日)

12:30~13:00 受付
13:00~13:10 開講式
13:10~14:25

講義Ⅰ   講師:上岡 美保 氏

14:35~15:50

講義Ⅱ   講師:岡野 隆宏 氏 

16:10~17:40

講義Ⅲ   講師:寺本 英仁 氏

17:50~18:10

テーブルトーク(共有)

18:10~18:30

1日目のまとめ

18:30~20:00 交流会(会費制)

2日目(11月10日)

09:05~09:15

1日目の振り返り

09:15~11:15

グループワーク

11:25~12:25

パネルディスカッション

12:25~12:40

2日間のまとめ

12:40~12:50

閉講式

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp