【終了レポート】2019年度第10回新たな知と方法を生む土日集中セミナー「やねだん東京塾~『やねだん』に学ぶ補欠のいない住民主体の地域づくり~」

終了レポート

2019年10月07日

「やねだん東京塾~『やねだん』に学ぶ補欠のいない住民主体の地域づくり~」

集合写真.JPG 第10回土日集中セミナー「やねだん東京塾~『やねだん』に学ぶ補欠のいない住民主体の地域づくり~」を地域活性化センターで12月14日(土)~15日(日)の二日間で開催しました。 やねだんは、鹿児島県鹿屋市の人口約300人の柳谷集落の通称です。1996年に講師の豊重哲郎氏が柳谷自治公民館長に就任してから、「行政に頼らない地域づくり」をテーマとした全員参加型の地域づくりを展開しています。現地では、2007年から豊重氏が塾長となり3泊4日の「やねだん故郷創世塾」が開催されています。

「地方創生はやねだんに学べ」

 まず最初に、地域活性化センター理事長であり、自身も平成22年度からやねだん故郷創生塾常任講師を務める椎川忍氏よりご講義いただきました。ないものねだりではなく、あるものを生かすという豊重氏が実践する地域づくりの基本や補助金に頼らず、全ての地域課題を解決したやねだんに学ぶことの大切さについてお話しいただきました。

講義_Ⅰ(椎川理事長).JPG

地域づくりの前提条件

株式会社アグリビジネスサービス代表取締役の土居龍一氏からは、柳谷地区の紹介や商品開発などに携わってきた中で大切にしてきた価値観についてお話しいただきました。様々な活動について、ネットワークや人脈を構築し、自分自身の変化を常に意識することが大事としたうえで、地域再生や地域活性化の実現には、①地域資源の掘り起こし、②一人で孤立しないこと、③よく似た地域を探す努力、の三つの前提条件をクリアすることが必要であると語っていただきました。

講義_Ⅱ(土居氏).JPG

出番を待っている人を動かす

豊重哲郎氏は、これまでの実践から人を動かし、集落を動かし、地域全体を盛り上げるためには①企画力、②演出力、③財務力を発揮してきたとのことです。その他にも、人のことは必ず下の名前で呼ぶことや、いつでも目配り・気配り・心配りをしているといった豊重氏が工夫されている点などを語っていただきました。熱のこもった語り方や受講生一人一人と向き合う姿勢に、会場全体が自然と一体感をまとった雰囲気になりました。

講義_Ⅵ(豊重氏).JPG

「卒塾生お二人の活動報告」

やねだん故郷創生塾の卒塾生であるお二人に登壇いただきました。

足利市役所の永井健太氏がやねだん故郷創生塾に参加して一番心に響いたのが、「町民全員がレギュラー」という豊重氏の言葉であり、卒塾後は、この言葉を胸にNPO活動に精力的に取り組み、人と人との関係づくりやみんなで目標に向かっていくことの楽しさについてお話しいただきました。

置賜広域行政事務組合事務局の齋藤拓也氏からは人と人をつなぐこと、人とつながることの喜びと楽しさが伝わってきました。いろんな人と出会い、関わり、刺激を受けることで、自分自身が変わってきた、との言葉が印象に残りました。

講義_Ⅳ(永井氏).JPG講義_Ⅴ(齋藤氏).JPG

「一人一人の明日から踏み出す半歩」

 

 二日目は、豊重氏の講義とグループワーク、最後に「明日から踏み出す半歩」というテーマで一人ずつ決意表明しました。一人一人の決意表明に対して、豊重氏から温かいメッセージが送られました。

 最後に、豊重氏のお話の中で特に印象深かったのが、「民ありて、己あり」という言葉です。自分一人でできることは少なく、色んな人がいてこそ地域づくりは面白いということですが、人を説得したり、強制したりして強引に巻き込むのではなく、納得してもらい活躍の機会を作ることが大切であると学びました。

講師

柳谷自治公民館長、やねだん故郷創世塾塾長 豊重 哲郎 氏

㈱アグリビジネスサービス代表取締役 土居 龍一 氏

足利市役所映像のまち推進課 主任 永井 健太 氏

置賜広域行政事務組合 事務局総務課企画財政係 主任 齋藤 拓也 氏

一般財団法人地域活性化センター理事長 椎川 忍 氏

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp