平成29年度第1回地方創生実践塾 京都府広域

地方創生実践塾 募集終了 終了レポート

2017年05月26日

地方資源活用と教育機関連携による地方創生~お茶の京都×学研都市×地域大学~

平成29年度第1回の地方創生実践塾は、京都府広域(宇治田原町、精華町、和束町、南山城村)で、「地方資源活用と教育機関連携による地方創生~お茶の京都×学研都市×地域大学~」をテーマとし、全国から31名の方にご参加いただきました。

京都府南部で取組を進めている「お茶の京都」や、京都・大阪・奈良の3府県にまたがる「けいはんな学研都市」での大学を活かした地域づくりについて学びを深めるため、5月26日(金)~28日(日)の3日間に渡って開催されました。

5月26日(1日目) テーマ「学研都市と大学連携」(@精華町)

まず、最初に精華町の木村町長より、「けいはんな学研都市」の取組を始めることになった経緯や精華町のまちづくりについてお話をいただきました。

木村町長

講義①「精華町の地域創生~学研都市から萌えキャラまで~」西川 和裕氏(精華町企画調整課長補佐)

けいはんな学研都市の概要や、地方創生にどのように繋げていったか、京町セイカ(精華町萌えキャラ)の誕生秘話やプロモーション活動、今後の展望などをお話しいただきました。

講義①

フィールドワーク①「精華町立図書館の見学」榎木薗 雄三氏(精華町立図書館課長補佐)

町役場内にある精華町立図書館を見学しました。行政との連携コーナーや、子供スペース、おはなしのへや、門脇文庫の蔵書貸し出しなど、特徴的な取組についてご案内いただきました。

フィールドワーク① その1

フィールドワーク① その2

フィールドワーク②「国立国会図書館関西館の見学」国立国会図書館文献提供課

全国に3か所(関東、関西、子ども図書館)しかない国立国会図書館を見学しました。国立国会図書館の役割や利用の仕方などをご説明していただきました。調査研究やビジネスにおいて、情報の宝庫である国立国会図書館を活用することが、新たな知を創造する第一歩だと感じました。

フィールドワーク② その1

フィールドワーク② その2

講義②「地域資源活用と教育機関連携による地方創生」北川 正恭氏(元三重県知事/早稲田大学名誉教授)

「時代がそれぞれに果たす使命とは」をキーワードに、各時代における改革や転機で各キーマンがいかに使命を果たしたかという内容から講義が始まり、それを受けて自分たちは今何が出来るのかを考えさせられました。「まち×ひと×しごと」を達成するためには、固定概念で高等教育機関を固いと考えずに、連携して様々な課題に立ち向かって行政経営をするよう激励をいただきました。

講義②

5月27日(2日目) テーマ「お茶の京都と大学連携」(@南山城村、和束町、宇治田原町)

講義③「道の駅を拠点とした南山城村のむらづくり」森本 健次氏(株式会社南山城代表取締役)

2017年にオープンした道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」で、南山城村の活性化のために、村役場を辞めて株式会社南山城を設立した森本さんから、会社設立に至るまでや、道の駅がオープンするまでの経緯をお話しいただきました。80件の茶農家と連携して自社商品を開発していて、実際にその村にあるものを活かしたものづくりにこだわっている姿勢はとても参考になりました。

講義③

フィールドワーク③「南山城村道の駅の見学」森本 健次氏(株式会社南山城代表取締役)

講義③後、実際に南山城村道の駅を見学しました。南山城のお茶をいかした商品がたくさんありました。写真は、南山城村の抹茶をたっぷり使った茶畑パウンドケーキです!

フィールドワーク③ その1

フィールドワーク③ その2

フィールドワーク④「茶源郷の見学・茶ムリエ講座」馬場 正実氏(和束町役場 建設事業課)、松石 三重子(宇治茶伝道師)

和束町の有名な茶源郷を見学しました。その光景は、まさに圧巻でした。和束町の茶畑が有名になるきっかけとなったのは、外から来た民間の人の発案だったとのこと。地元の方には見慣れた風景でも、外から見たら地域の魅力になるのだということを再確認しました。

フィールドワーク④ その1

茶源郷を見学した後は、ソムリエならぬ茶ムリエの講座を、宇治茶伝道師の松石さんにしていただきました。みんな真剣に、松石さんの指示どおりにお茶と向き合い、お茶ってこんなに美味しいんだ!というのを改めて実感しました。

フィールドワーク④ その2

フィールドワーク④ その3

講義④「豊かな自然と生業に支えられた茶源郷和束町の紹介」堀 忠雄氏(和束町長)

和束町の堀町長に、和束町のまちづくりの視点についてお話しいただきました。多角的にものごとをとらえて、地域づくりを行うことの大切さを学びました。

講義④

講義⑤「茶摘み・茶香服体験」 谷口 郁男氏(21お茶のふるさと塾塾長)

お茶畑で、茶摘みの方法を教えてもらい、茶摘み体験をしました。参加者の中には、見つけると幸運になれるというハート型の葉っぱを見つけた方も!収穫したお茶の葉は、茶香服体験のあと、天ぷらにしたものをみんなで美味しくいただきました。

講義⑤ その1

講義⑤ その2

講義⑤ その3

茶摘みの後は、名を伏せていれたお茶の種類や産地を当てる、お茶の飲み当て遊び「茶香服(茶歌舞伎)」を実際に体験しました。今回は5種類のお茶(若葉×2、玉露、はりがね、玄米茶)から2つの若葉をあてるゲームをしました。色を見たり匂いを嗅いだり、みんな正解を当てようと四苦八苦していましたが、実際にやってみるとなかなか見分けるのは難しく、2つとも当てた人は少人数でした。

講義⑤ その4

講義⑤ その5

講義⑥「お茶の京都構想について」小川 嘉幸氏(京都府企画理事付理事)

「京都」のブランド力を活かし、地域自らが地域の魅力を再発見するための体験型プログラムを多数企画運営している「お茶の京都博」について、講義いただきました。目的に対して、適切な施策・事業を企画・運営することの大切さを教えていただきました。

講義⑥

5月28日(3日目) テーマ「学研都市と大学連携」(@精華町)

フィールドワーク⑤「京都府立大学精華キャンパスの農場見学」伊達 修一氏(京都府立大学大学院生命環境科学研究科講師)

最終日は、都府立大学精華キャンパスの農場見学から始まりました。精華キャンパスでは、教育と研究のための農場があり、花・野菜・果樹園など様々な作物を栽培しています。栽培した作物は一般に販売し、地域の方々に食べてもらうことで、大学と地域との繋がりにもなっています。

フィールドワーク⑤ その1

フィールドワーク⑤ その2

講義⑦「大学と地域との連携・協働と地域創生」杉岡 秀紀氏(福知山公立大学地域経営学部准教授/京都府立大学)

次に、主任講師の杉岡先生より、大学と地域との連携について講義がありました。一口に大学や地域といっても、大学は教員・職員・学生・卒業生、地域は職員・企業・マスコミ・ボランティア団体等様々な団体があります。連携をする上では、お互いがお互いを知るために、勉強をする必要があるということを、事例を踏まえてご講義いただきました。

最近では、大学と行政の連携も増えてきていますが、お互いが知る努力をしないと真の協働にはならないことに気づかされました。

講義⑦

講義⑧「チャ遺伝資源の評価と地方への活用の取り組み」久保 中央氏(京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授)

学研都市と地域を大学がつなぐ事例について、講義をいただきました。京都府内には多数の茶の在来種が存在しており、宇治茶は高級ブランドとして認識されているが、遺伝的特徴は分かっておりませんでした。そこで、茶のDNA分析をし、宇治茶を特徴づける特性を研究いたしました。研究の中で、宇治茶の他に地域を特徴づけるお茶もあり、新たな地域の特産品を生み出したそうです。

講義⑧

講義⑨「洛いもの地域特産品化への取り組み」伊達 修一氏(京都府立大学大学院生命環境科学研究科講師)

洛いもとは、京都府立大学で育成・選抜したダイショ(ヤマノイモ科)をブランド化したものです。府立大学では、洛いもの普及や特産農産物化を目指す研究をしています。つるを利用したグリーンカーテンや、洛いもを原料とした焼酎の開発を行い、精華町の産業振興に繋げています。

このように、京都府立大学精華キャンパスでは、地域と共に研究をすることによって、地域の方々に身近に感じてもらえるような取組をしています。大学の研究を、研究で終わらさずに、結果を地域に反映させることを学び大変勉強になりました。

講義⑨

WS「ふりかえりワークショップ」青山 公三氏(京都府立大学京都未来創造センター副センター長)

最後に、3日間の実践塾で学んだことを振り返り、各班に分かれて地元に帰ったら何が出来るか考えるワークショップをいたしました。

その中で、体験から学ぶ体験型プログラムの作成や、学生がもっと身近に感じられるようなインターンシップを考えてはどうか等の意見があがりました。

青山先生からは、アイデアを出して実行する際には、エビデンスペースで責任を持たなければならず、そのような人材を育成するには、育つ土壌づくりをしなければならないとのお話をいただきました。

ふりかえりワークショップ その1

ふりかえりワークショップ その2

最後に、参加者の皆さんから頂いたお言葉の一部を紹介します。

・実際に現場に行って話を聞き体験することで、その地域のことや取組だけでなく、何をどうしたらよいのかの考え方を学ぶことができました。自分が地元に戻って何をしたらよいのか、そのためにはどう動けばよいのかを考え実際に行動したいと思います。

・講師の話を聞き、仕事に取り組む姿勢・考え方を学ぶことができ参考になりました。新人の私でも分かりやすい内容で学びやすい環境でした。他の自治体の方と交流でき、多くの情報を得ることができました。

・茶香服のように、体感できる名産や名産の見せ方の工夫を地元で具体的にやってみたいです。

・写真でしか見たことのなかった和束町の景観を見ることが出来て良かったです。生業の景観は地元にもあるので、今回学んだことを今後活かしたいです。

集合写真 その1

集合写真 その2

ご参加ありがとうございました。

プログラム詳細

5月26日(金)

12:45~13:00 15分 開講式
13:00~13:15 15分 挨拶 木村 要氏(精華町長)
13:15~14:00 45分 講義① 「精華町の地域創生~学研都市から萌えキャラまで~」
西川 和裕氏(精華町企画調整課長補佐)
14:05~14:35 30分 フィールドワーク①「精華町立図書館の見学」
榎木薗 雄三氏(精華町立図書館課長補佐)
14:50~15:50 60分 フィールドワーク②「国立国会図書館関西館の見学」
国立国会図書館文献提供課
16:10~17:40 90分 講義②「地域資源活用と教育機関連携による地方創生」
北川 正恭氏(元三重県知事/早稲田大学名誉教授)
18:00~20:00 120分 交流会

5月27日(土)

9:00~9:10 10分 挨拶 手仲 圓容氏(南山城村長)
9:10~10:10 60分 講義③「道の駅を拠点とした南山城村のむらづくり」
森本 健次氏(株式会社南山城代表取締役)
10:10~10:30 20分 フィールドワーク③「南山城村道の駅の見学」
森本 健次氏(株式会社南山城代表取締役)
11:00~12:10 70分 フィールドワーク④「茶源郷の見学・茶ムリエ講座」
馬場 正実氏(和束町役場 建設事業課)
松石 三重子氏(宇治茶伝道師)
12:10~12:40 30分 昼食
12:40~13:10 30分 講義④「豊かな自然と生業に支えられた茶源郷和束町の紹介」
堀 忠雄氏(和束町長)
14:00~14:10 10分 挨拶 西谷 信夫氏(宇治田原町長)
14:10~17:00 170分 講義⑤「茶摘み・茶香服体験」
谷口 郁男氏(21お茶のふるさと塾塾長)
17:00~17:15 15分 講義⑥「お茶の京都構想について」
小川 嘉幸氏(京都府企画理事付理事)

5月28日(日)

9:00~9:30 30分 フィールドワーク⑤「京都府立大学精華キャンパスの農場見学」
伊達 修一氏(京都府立大学大学院生命環境科学研究科講師)
9:40~10:25 45分 講義⑦「大学と地域との連携・協働と地域創生」
杉岡 秀紀氏(福知山公立大学/京都府立大学)
10:25~10:50 25分 講義⑧「チャ遺伝資源の評価と地方への活用の取り組み」
久保 中央氏(京都府立大学)
10:50~11:15 25分 講義⑨「洛いもの地域特産品化への取り組み」
伊達 修一氏(京都府立大学)
11:25~12:25 60分 WS「ふりかえりワークショップ」
青山 公三氏(京都府立大学)
12:25~12:30 5分 閉講式

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp