平成29年度第3回地方創生実践塾 岐阜県高山市

地方創生実践塾 募集終了 終了レポート

2017年07月20日

地方都市のインバウンドへの挑戦~人口の5倍以上の外国人観光客が宿泊するワケ~

平成29年度第3回の地方創生実践塾は、岐阜県高山市で、「地方都市のインバウンドへの挑戦」をテーマとし、全国各地から自治体職員、議会議員、観光DMO、地域おこし協力隊など37名の方々にご参加いただきました。

7月20日(1日目)

まず、最初に高山市の國島芳明市長より、歓迎のご挨拶をいただきました。高山市は観光客だけでなく、住んでいる人も喜ぶ街づくりに力をいれておられます。

ご挨拶

講演①「高山市のインバウンド戦略」田中 明 氏(高山市企画部長)

高山市を訪れる外国人観光客の動向から市内Wifi環境整備、SNSを活用した情報発信、市長による海外でのトップセールスなど、これまで手間を惜しまずインバウンド対応をしてきたことや民間と行政の連携の大切さなどをお話いただきました。

講演①

フィールドワーク①「高山市内の古い町並、風致地区」

高山市の重要伝統的建造物群保存地区を視察。外国人を含む多くの観光客で賑わっており、格子のつらなる軒下には用水路が流れ、老舗の暖簾が軒をつらねていました。

フィールドワーク①

フィールドワーク②「本町3丁目免税店一括カウンター」中田中央薬品

外国人観光客の方が買い物をした時の免税手続きをされている薬局です。ご自分のお店のみでなく商店街の店舗まで一括して免税手続きが可能であり、免税手続きのこれまでの経緯などをご説明していただきました。

フィールドワーク②

7月21日(2日目)

フィールドワーク③世界遺産「白川郷」和田家見学。和田 正人 氏(国重要文化財 和田家館長)

美しい里山風景が広がる白川郷は、冬には2メートルを超す豪雪地帯です。合掌造りの屋根葺きでは「結い」と呼ばれる家主のみならず地域の方々が協力して屋根葺きを行い、技術を伝承する場となっており、そういった活動が世界遺産登録に繋がったとのお話が印象的でした。

フィールドワーク③

フィールドワーク④「外国人に人気の里山体験ツアー」山田 拓 氏(株式会社 美ら地球 代表取締役)

飛騨古川にIターンして、ご自身の経験から自転車での里山体験ツアーや観光ガイドなどを提供されています。自転車で田園や里山をゆっくりと巡り、日本の自然とそこに暮らす人々とのふれあいを体験できる「暮らしを旅するガイドツアー」が人気を得ています。何気ない景色や何でもないことでも観光につながっていくのは驚きでした。会社設立の経緯から観光のマーケティングまで興味深いお話をいただきました。

フィールドワーク④

フィールドワーク⑤「アニメツーリズムから考える地域振興について」横山 理恵 氏(飛騨市観光課主査)

新海誠監督の長編大作アニメーション映画「君の名は。」飛騨市をイメージしたシーンが登場するロングセラーとなっているこの映画は、市内のモデルとなった場所を巡る「聖地巡礼」の観光客が増えてきており、観光政策や宣伝に様々なチャンスを活用している事例をお話頂きました。また、飛騨市の町並みや飛騨古川駅も見学しました。

フィールドワーク⑤

7月22日(3日目)

フィールドワーク⑥「飛騨高山まちの博物館」見学 小山 司 氏(飛騨高山まちの博物館 学芸員)

高山市の歴史を分かりやすくご説明いただき、まちの博物館も見学しました。

フィールドワーク⑥

講演②「トリップアドバイザーNo.1 人気の秘訣」 古田 直子 氏(中華料理店 平安楽 女将)

50年以上続く中華料理店を営業されており、外国人観光客に細やかな声掛けと会話で安心して食事ができる店として支持されています。ベジタリアンメニューや様々な宗教への対応などもさることながら、心からのおもてなしを考え、お客様に提供されています。英語は文章でなくても、単語でも構わない。「おもてなしのこころ」の大切さが印象的なお話でした。

講演②

講演③「お客様の笑顔が見たくて」 有巣 栄里子 氏(旅館本陣平野屋 花兆庵 女将)

市や広域行政の努力により外国人観光客が増加してきている昨今。最初は、外国のお客様の対応が難しく、失敗の連続だったそうですが、そこで多くのことを学び克服しようと様々な努力をされています。外国人旅行者向けにお風呂の入り方や旅館での過ごし方を解説したイラスト入りの旅館マニュアルもその一つ。心をつかむおもてなしや日本の旅館のよさをお話いただきました。

講演③

最後に、参加者の皆さんから頂いたお言葉の一部を紹介します。

  • インバウンドの先進地ということで参加させていただきましたが、3日間とても勉強になりました。交通の便は悪いですが、地元住民の方のおもてなし意識の高さに感激しました。
  • 現地で生の声と人脈の形成ができる貴重な機会を頂きありがとうございました。
  • 外国人にアンケートを取る、英会話クラスを市と共に開催するなど、なにかできることからしていきたい。
  • 現地の視察は個人でも可能だが、現場と事業者の解説をバランスよく受講できた。
  • 誰のために、何のためにインバウンド戦略を展開していくのか多くのヒントを頂けた。
  • 広域NPOとして模索する中、課題がある程度整理できて、大変有意義なセミナーでした。

集合写真1

集合写真2

ご参加ありがとうございました。

プログラム詳細

7月20日(木)

14:30~15:00 30分 開講式・オリエンテーション
15:00~16:00 60分 講演① 「高山市のインバウンド戦略」
田中 明 氏(高山市企画部長)
16:00~18:00 120分 フィールドワーク①「高山市内の古い町並、風致地区」
田中 明 氏(高山市企画部長)
フィールドワーク②「本町3丁目免税店一括カウンター設置」
田中 明 氏(高山市企画部長)
18:00~20:00 120分 交流会

7月21日(金)

9:00~10:00 60分 バス移動(高山市~白川郷)
10:00~12:00 120分 フィールドワーク③白川郷「和田家」視察
和田 正人 氏(国重要文化財 和田家館長)、白川村役場
12:00~13:00 60分 昼食
13:00~14:00 60分 バス移動(白川郷~飛騨市)
14:00~16:00 60分 フィールドワーク④「外国人に人気の里山体験ツアー」
山田 拓 氏(株式会社 美ら地球 代表取締役)
16:00~17:30 90分 フィールドワーク⑤「アニメツーリズムから考える地域振興について」
横山 理恵 氏(飛騨市商工観光部観光課 主査)
17:30~18:00 30分 バス移動(飛騨市~高山市)
18:00~20:00 120分 夕食

7月22日(土)

9:00~ 9:40 40分 フィールドワーク⑥「飛騨高山まちの博物館見学」
小山 司 氏(飛騨高山まちの博物館 学芸員)
9:45~10:45 60分 講演②「トリップアドバイザーNo.1 人気の秘訣」
古田 直子 氏(中華料理店 平安楽 女将)
10:50~10:50 60分 講演③「お客様の笑顔が見たくて」
有巣 栄里子 氏(旅館 本陣平野屋 花兆庵 女将)
11:50~12:00 10分 総括・閉講式

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp