平成29年度第9回地方創生実践塾_愛媛県「地域資源を活かした広域のまちづくり~自転車を活用した地域振興~」

地方創生実践塾 募集終了 終了レポート

2017年11月18日

地方創生実践塾 in 愛媛県
地域資源を活かした広域のまちづくり~自転車を活用した地域振興~

平成29年11月18日(土)~19日(日)の2日間、愛媛県今治市で「地域資源を活かした広域のまちづくり ~自転車を活用した地域振興~」をテーマに平成29年度第9回目の地方創生実践塾を開催しました。全国各地から自治体職員など23名のご参加をいただきました。

1日目<11月18日(土)>

挨拶

挨拶

俊野 忠彦 氏(東予地方局今治市局支局長)
菅 良二 氏(愛媛県今治市長)
椎川 忍(一般財団法人地域活性化センター理事長)

講義①「今治市の自転車取組み」 渡部 誠也 氏(今治市観光課サイクルシティ推進室長)

講義①

今治市観光課サイクルシティ推進室長の渡部氏から、今治市で取り組む自転車施策について説明を受けました。今治市では従前から自転車新文化を推進する取り組みが行われており、しまなみ海道を中心にサイクリストの聖地として賑わいを創出しているということでした。

フィールドワークA しまなみ海道サイクリング体験 サンライズ糸山→よしうみいきいき館

フィールドワークA

フィールドワークA2

渡部氏からの説明の後、しまなみ海道のサイクリング体験を実施しました。

海風は強かったものの、サイクリストの聖地として名を馳せるしまなみ海道から見える景色は絶景でした。

参加者の皆さんも一様に満足していたようでした。

フィールドワークB 「イノシシ皮革の活用」、「しまなみイノシシ活用隊解体作業場所の見学」 重信 幹広 氏(レザークラフトJishac)

フィールドワークB

フィールドワークB2

サイクリング体験後、大三島でイノシシ皮革を使った作品製作・販売を行う重信氏からお話を伺いました。

地域の農家や猟友会で組織する「イノシシ活用隊」のメンバーと協力し、捕獲-解体―革商品製作・販売までを行い、これまで害獣として敬遠されていたイノシシに新たな価値を付加しているということでした。

愛媛県庁では、Jishacで製作したイノシシ皮革の名札ケースを使用しているということで、重信氏は「出来るだけ産地に近いところで販売をしたい」と語られていました。

講義②「自転車新文化の推進について」 坂本 大蔵 氏(愛媛県自転車新文化推進室長)

講義②

フィールドワーク後、愛媛県の自転車文化推進に向けた取り組みについて愛媛県自転車新文化推進室長の坂本氏から説明をいただきました。

18年前に整備された「しまなみ海道」がサイクリストの聖地となるきっかけとなった台湾GIANT社の劉会長との関わりや自転車県としてのブランド化に向けた取り組み、おもてなし体制、安全利用といった点について詳しくお話しいただきました。

2日目<11月19日(日)>

講義③「松野町の自転車取組み」 井上 靖 氏(松野町教育課長)

講義③

松野町教育課長の井上氏から、松野町で取り組む自転車政策について説明を受けました。

松野町は人口約4,000人の小さな町で、30年後には人口半減という予測が出ており、観光を通じた交流・関係人口の増加を図っているということでした。

地域の魅力を徹底的に洗い出し、キャニオニングやサイクリングで人の呼び込みに注力しており、特に山をフィールドとしたマウンテンバイク競技「松野四万十バイクレース」は全長140kmで3,200mのアップダウンという過酷なレース設定であるため完走率58%でありながら、全国から参加者が殺到したということでした。

井上氏は、「住民の協力を貰いながらエッジの利いた施策を行うことでコアなファンを増やしていきたい」と語られました。

座談会「サイクルツーリズムの実現はリアルなサイクリスト目線から」

座談会

渋井 亮太郎 氏(愛媛県自転車新文化推進事業総合アドバイザー)
門田 基志 氏(GIANT契約プロサイクリスト)
坂本 大蔵 氏

実践塾の締めくくりとして、3氏による座談会が行われました。

国内のサイクリングガイドの半数が愛媛県の人という点に触れ、渋井氏は「標準化されたガイドシステムが必要」と述べられました。また、全国的な自転車ブームについて、「自転車で走れる環境があるからロードレースのコースを設定しようという流れが起きているが、スポーツとしての自転車競技は高度な専門性が必要であり、細かいケアまで出来るよう自治体や住民の本気度を高めていく必要がある」と語られました。

門田氏は高校時代に地元今治市が世界に通用するサイクリングエリアだと気付いたと言い、レース選手となった後もライフワークとしてサイクリングイベント開催などに取り組んでおられるということでした。その中でも、しまなみ海道を閉鎖して行うサイクリングイベント「サイクリングしまなみ」は特に反響が大きかったそうです。自治体が中心だと実施が難しい事業であっても、人と人が繋がることで実現可能になると述べられました。

また、しまなみ海道がサイクリストの聖地として有名になった理由として、本気で競技に取り組む選手はもちろん、サイクリングを趣味としている人々の声を大事にしたことが大きいということでした。

最後に、3氏から前述の「サイクリングしまなみ」に続く企画立案に向けた希望が述べられ、閉幕となりました。

集合写真会場

カリキュラム

1日目:11月18日(土)

12:30~12:45 開講式
13:00~13:20 講義①「今治市の自転車取組み」
講師:渡部 誠也 氏(今治市産業部観光課サイクルシティ推進室長)
13:20~14:50 フィールドワークA「しまなみ海道サイクリング体験」
15:20~16:20 フィールドワークB「イノシシ皮革の活用」「しまなみイノシシ活用隊解体作業場所の見学」
講師:重信 幹広 氏(レザークラフトJishac)
17:10~18:10 講義②「自転車新文化の推進について」
講師:坂本 大蔵 氏(愛媛県自転車新文化推進室長)
18:30~20:30 交流会

2日目:11月19日(日)

9:30~10:30 講義③「松野町の自転車取組み」
講師:井上 靖 氏(松野町教育課長)
10:40~12:10 座談会「サイクルツーリズムの実現はリアルなサイクリスト目線から」
渋井 亮太郎 氏(愛媛県自転車新文化推進事業総合アドバイザー)
門田 基志 氏(GIANT契約プロサイクリスト)
坂本 大蔵 氏
12:10~ 閉講式

御参加・御協力いただいた皆様、ありがとうございました!

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp