【終了レポート】平成30年度 第2回地方創生実践塾(岩手県紫波町)

地方創生実践塾 終了レポート

2018年03月07日

 平成30年度第2回地方創生実践塾in岩手県紫波町
「オガールプロジェクト~稼ぐインフラとリノベーションまちづくり~」

 平成30年6月22日(金)~23日(土)の2日間、岩手県紫波町で、「オガールプロジェクト~稼ぐインフラとリノベーションまちづくり~」をテーマとして、平成30年度第2回の地方創生実践塾を開催しました。全国各地の自治体職員など40名のご参加をいただきました。

622日(金)】

 最初に紫波町の熊谷泉町長より、歓迎のご挨拶をいただきました。

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◆講義1「公有地における公民連携~オガールプロジェクトの概要~」

 主任講師:鎌田 千市 氏(紫波町企画総務部企画課企画主幹)

 紫波町のまちづくりにおいて最も重要である「公民連携」の考え方や、様々な施設ごとにどのような手法で土地利用が行われているのかといった点についてご講義いただきました。オガールプラザをはじめ、エリア内には様々な施設がありますが、それぞれで事業手法や土地の契約形態が異なっており、目的に応じた最適な手法が選択されていることが印象的でした。

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◆講義2「稼ぐインフラ」

 講師:岡崎 正信 氏(株式会社オガール 代表取締役)

 オガールプロジェクトの立役者である岡崎氏から、公民連携の正しい在り方やプロセス、考え方を通して、稼ぐインフラを構築するために重要な点をご講義いただきました。

 まちづくりの目標は不動産価値の向上にあり、そのために人を集めることやランドスケープを整えることが重要であるとのお話や、補助金を使うとプロジェクトが肥大化してしまい過剰な計画になりがちであるといったお話が非常に印象的で、これからのまちづくりに求められる重要な視点について気づくことができました。

◆講義3「公民連携手法を活用した地域再生~日詰リノベーションまちづくり~」

 講師:高橋 哲也 氏(紫波町企画総務部財政課主任)

 紫波町の中心市街地である日詰地区の再生に向けて取り組んでいる「日詰リノベーションまちづくり」についてお話いただきました。

 リノベーションスクールで実際に事業を起こす人や地域の核となる人を募り、育成する中で実際に起業した人が出始め、そうした人達が中心となって地域をつなぎ始めているとのお話でした。

 

講義4「SAKE TOWN SHIWA プロジェクトの概要」

 講師:須川 翔太氏(紫波町企画総務部企画課主任)

 紫波町の地域資源の一つである「酒蔵」を活用した地域おこしプロジェクトについてご紹介いただきました。

 それぞれの蔵のストーリーや町の酒文化を伝える「ツギヒト」という冊子の紹介があり、日詰地区のお話と併せて、オガールだけではない紫波町の魅力についてお話いただきました。

 

◆フィールドワーク1「日詰商店街

 紫波町役場財政課の高橋氏から講義があった日詰商店街リノベーション事例の中で、「はちすずめ菓子店(2017年5月開業)」「グランマファーム(2018年4月開業)」「ミルクホールマイカ(2016年10月開業)」の3店舗を訪問し、それぞれお話を伺いました。

 3店舗とも開業されたのはごく最近で、リノベーションスクール@紫波や町役場、家族等の協力を得ながら空き家をリノベーションし、現在の事業に使えるようにしたことが印象的で、以前の建物で営まれていた事業や生活の名残が残る面白い建物になっていました。

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◆フィールドワーク2「酒蔵ツアー」

 酒蔵ツアーとして、オガールや日詰地区といった中心地から少し離れた「吾妻嶺酒造店」を見学し、蔵元の佐藤元氏から紫波町での酒造りについてお話を伺いました。

 自身の蔵で造った日本酒への誇りや、日本酒が持つ可能性などについて熱く語る姿が非常に印象的で、またこちらの酒蔵では大学生のインターンの受け入れもされているとのお話もあり、将来に向けた思いを感じることができました。

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623日(土)】

◆フィールドワーク3「オガールさんぽ」

 2日目の始まりは、参加者が2班に分かれオガールエリア内の施設等を見学する「オガールさんぽ」からスタートしました。図書館やコミュニティスペース等が設置された「オガールプラザ」、宿泊施設やバレーボール専用のアリーナがある「オガールベース」、民間事業者が店舗や医院等を構える「オガールセンター」、同エリア内に移転された「紫波町役場」等の見学を通して、オガールの多様性について触れることができました。

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◆講義5「敷地に価値なし、エリアに価値あり」

 講師:清水 義次氏(株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役)

 これからの時代のまちづくりに求められる考え方や手法について清水氏からご講義いただきました。これからは従来の行政主導のまちづくりから、民間主導・行政支援(=公民連携)のまちづくりが必要となること、また、これからの縮小時代に適合するために今あるものを活かし、新しい使い方をするという「リノベーションまちづくり」を展開していく必要があるとお話いただきました。

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◆グループワーク・発表・講評

 今回の実践塾を通じて参加者が疑問に思ったこと、新たな気付きについて6~7人のグループで共有するとともに、全体で発表し、鎌田氏、岡崎氏、清水氏にフィードバックをいただく機会を得ました。

 グループ内での意見交換を通して、各地域においてどのような課題があるのか、その課題とどう向き合っているのか、どうすれば解決することができるのかといったことについて、それぞれ異なった立場の方同士で意見交換することで、今までになかった視点に気づくことができました。

 鎌田氏、岡崎氏、清水氏の講評の中で「オガールプロジェクトにおける公民連携は簡単に進んできたものではない。様々な課題と向き合いながら必死で取り組んできたもの。公民連携を進めていくためには『覚悟』が必要である。」とお話いただいたのが大変印象的で、これからの縮小時代を生き残るために、民間企業も行政も強い覚悟をもって地域づくりに取り組まなければならないと感じました。

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<最後に参加者の方から頂いたお言葉の一部を紹介します>

・講義内容はこれからのプロジェクト進行に役立つものにしていきます。エージェントとして活動してみたいと思いました。覚悟をもってプロジェクトを立ち上げていきます。公民での交流ができて、これからの人脈として繋がっていける方々とも出会えた場となりました。

・講師の方々の言葉に、どんどんと力がみなぎってくるように感じた。民間のパブリックマインドとプライベートマインドを持った行政の組み合わせについて、考える部分が多かった。行政だけが変わればいいという話ではなく、民間に求められることも大きい。それをやってのけた紫波町の方々は本当にすごいと思う。自分の自治体でも実現可能な部分を精査していきたい。

・地元で公民連携、非常にハードルが高いですが、まずは小さなことから事業化、身の丈に合った取組を実践していきたいと思います。また、本内容を伝え、土壌を作っていきたいと思います。2日間、有意義な講義等ありがとうございました。

・"迷う前に動け"が何より響いた言葉でした。色々迷って怖くて動けないでいたけど、何か動いてみようという気持ちを持つことが出来ました。ここに来た人たちがみんな何か1つずつ動き出したら、各所でいろんな動きが出てくるんだろうなと感じました。

・公民連携は民間にゆだねることが重要だと気が付きました。特に岡﨑さんの「覚悟」という言葉の重さはとても深いものを感じました。

・一歩踏み出す覚悟を持てるかどうかがすべてかと思いますが、仲間を見つけ、半歩でも進めるように頑張りたいと思います。

・エリアデザインの概念が変わりました。

・とても刺激的で充実した2日間でした。地元に戻った時に自分に何が出来るかゆっくり咀嚼し、地域を盛り上げていきたい。

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カリキュラム

6月22日(金) 

13:00~13:15 開講式-開催地挨拶:紫波町長 熊谷 泉 氏-主催者挨拶:(一財)地域活性化センター理事長 椎川 忍
13:15~14:15 講義1「公有地における公民連携~オガールプロジェクトの概要~」主任講師:紫波町企画総務部企画課企画主幹 鎌田 千市 氏
14:15~15:45 講義2「公民連携による、経済的に自立した「稼ぐ」まちづくり再生」                                        講師:株式会社オガール 代表取締役 岡崎 正信 氏
15:55~16:20 講義3「公民連携手法を活用した地域再生~日詰リノベーションまちづくり~」                                       講師:紫波町企画総務部財政課主任 高橋 哲也 氏
16:20~16:30 講師4「SAKE TOWN SHIWA プロジェクトの概要」講師:紫波町企画総務部企画課主任 須川 翔太 氏
16:45~17:45 フィールドワーク1「日詰商店街」はちすずめ菓子店 グランマファーム ミルクホールマイカ
18:00~18:40 フィールドワーク2「酒蔵ツアー」                                             吾妻嶺酒造店

6月23日(土)

9:30~10:15   フィールドワーク3「オガールさんぽ」
10:15~11:15   講義5「敷地に価値なし、エリアに価値なし」講師:株式会社アフタヌーンソサイエティ 代表取締役 清水 義次 氏      
11:25~13:00 グループワーク・発表・講評講師:清水氏、岡崎氏、鎌田氏