【終了レポート】平成30年度 第5回地方創生実践塾(群馬県富岡市)

地方創生実践塾 終了レポート

2018年09月21日

平成30年度第5回地方創生実践塾in群馬県富岡市「まちづくりメディアラボ~WEB・動画・写真を駆使した地域プロモーション技法を学ぶ~」

成30年9月8日(土)~9日(日)の2日間、群馬県富岡市で、「まちづくりメディアラボ~WEB・動画・写真を駆使した地域プロモーション技法を学ぶ~」をテーマとして、平成30年度第5回の地方創生実践塾を開催しました。全国各地の自治体職員や民間企業の方など27名の参加をいただきました。

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【9月8日(土)】

地方創生実践塾開催に先立ち、富岡市長の榎本義法氏より歓迎のご挨拶をいただきました。

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◆講義①「地域プロモーションに必要な視点とその技法」

講師:谷中 修吾 氏(一般社団法人INSPIRE代表理事)

ディアを使用するにあたって、メディアにおける4つの情報「文字」「画像」「動画」「音声」を統合的に表現するものがWEBであることや、地域プロモーションには「コンテンツをつくる」「コンテンツを届ける」「コンテンツの効果を測定する」ことが必要なことをお話いただきました。特に自治体は地域プロモーションを行う中で、10の力が必要だとした場合に、「つくる」:「届ける」:「測定する」=10:0:0になりがちだが、本来は「つくる」:「届ける」:「測定する」=3:6:1が理想で、作成したものをきちんと対象に届けることが重要だとお話されました。コンテンツの作成には、頭を柔らかくする運動が必要で、そのためには日ごろから全く違うコンテンツが掛け合わさると面白いのではないかという妄想をすることが新しい発想を生み出すのに重要だと面白い動画を例に挙げながら分かりやすくアドバイスをいただきました。

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◆講義②「編集者視点の紙面構成とその手法」

講師:谷中 修吾 氏(一般社団法人INSPIRE代表理事)

   堀口 正裕 氏(TURNSプロデューサー)

TURNSプロデューサーとして、編集者視点での取材方法と編集・発信の方法をお話していただきました。その中で、地域の課題を隠さず提示すること、SOSも共感を呼ぶ手段の1つであり、社会参加意識の高い読者には、いいところしか言わないモヤモヤより、地域の課題を提示したほうが共感を呼ぶということを教えていただきました。また、常に都市部と地方の生活・価値観を対比させ、金銭も含めたリアルな収支を見せていき、精神的な豊かさの指標にも数値化して表すことで読者が知りたい都市部と地方のリアルな比較ができるということでした。また、写真の撮り方にもコツがあり、自然体で「日常を切り取る」ことが目的なので、「撮りますよ」という声掛けをせずに、自然に撮っていくと教えていただきました。

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◆「富岡市の現状と課題」と演習課題説明

講師:谷中 修吾 氏(一般社団法人INSPIRE代表理事)

   加藤 健輔 氏(株式会社ブリッヂ代表取締役)

   藤間 和彦 氏(富岡市地域づくり課係長)

ず始めに、藤間氏から富岡市の現状と課題をお話していただきました。富岡市は世界遺産富岡製糸場を有した土地ですが、世界遺産登録されたあとの街並みの変化や富岡製糸場以外の魅力と富岡市を「世界遺産があるまち」から「世界遺産もあるまち」にしていく取組を行っていくというお話をしていただきました。

に、加藤氏から360°撮影を使った地域活性化事例をご紹介いただきました。長野県小布施町でストリートビューによる「地域丸ごと見える化プロジェクト」を行っており、ストリートビューを活用することにより、360°の風景を自分の足で歩いているような体験をすることができ、写真よりも多くの視覚情報を得ることができ、その地域の魅力や初めて見る光景なのにそこから懐かしさを感じられ共感を生むプロジェクトになったというお話をしていただきました。

後に谷中氏から演習課題としてWEBをつくるためのラフを今回各班で作成してもらうこと、ラフが書けるようになれば、自治体が業者にプロモーションを委託する際にも、方針がブレずに安価な金額で委託をすることができるというお話をしていただきました。

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◆富岡製糸場見学

講者も講師の皆さんも一緒になって、世界遺産の富岡製糸場を回りました。受講者の皆さんは、歴史を感じる建物の説明を見聞きして回りながら、当時の工場稼働の様子や生活を思い浮かべているようでした。

◆グループワーク・フィールドワーク①

こから各班がついに富岡市に出てWEBのラフを作るためのロケを開始しました。全部で7班あるうちの2班は富岡市の妙義地域まで行き、妙義地域のロケを実施。残り5班は富岡製糸場周辺の趣深い路地や商店などをロケ地として選定し、富岡市の魅力を探っていました。

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【9月9日(日)】

◆グループワーク・フィールドワーク②、実践塾の振り返り、富岡市役所見学、演習発表

日目のグループワーク・フィールドワークに引き続き、ロケとラフ作りをしました。冒頭に谷中氏から普段どのようにラフを作成していくか、実際のやり方を各班がラフを作りやすいように説明していました。どの班も時間がない中で、ロケ地を選定し、ラフも役割分担をしながらラフの納品時間ギリギリまで写真や動画・テキストを編集していました。

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り返り

 ラフ作成が完成し、納品が終わった班から実践塾の振り返りを行いました。振り返りの中で下記のような意見がありました。

・自分たちでコンセプトを作成することで、プロに委託する部分とそうでない部分の区分けとさじ加減を学ぶことが出来た。

・WEBやホームページ作成は一定のルールに基づけば短時間でできることを学んだ。

・何気ない場面もアイデア次第で伝えるツールの1つになるということを学んだ。

・コンセプト作りは何人かで話すとふくらむということを感じた。

・「人とつながる」とまたそこい行きたいと思える。

・コンセプトの大切さを実感した。

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表・講評

 「7つのシルクロード」と題して、「ロマンチック街道 富岡」「富岡でうふふをみっけ」「タイムスリップ」「普通じゃない町、富岡」「JK今昔物語 地元い愛された100年」「富岡で人に会う」「Silent Welth Hill」の7班分のアイディアが発表された。

発表の成果物HP:Tomioka Walker

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長からは「富岡市として検討している内容と同じテーマもあり、外部からの着眼点と内部からの着眼点が一致していた。これらの発表をヒントにして、これからも企画をしていきたい」などのご意見をいただきました。

口氏からは、特別に「8つ目のシルクロード」として「BrownNight とみおか」を提案していただきました。「焼きまんじゅう」や茶色で味のある建物が多い富岡の町並みと富岡製糸場周辺を歩くと非常に目につく「スナック」を切り口とした、TURNSプロデューサーならではの豊かな発想力によるプランをいただき、地域プロモーションのアドバイスをいただきました。また、今回フィールドワークで行った取材力の高さと「人」に着眼点を置いたテーマが非常に多く、やはり人が最大の地域資源ですというお話をいただきました。

藤氏からは、コンセプトと切り口が非常に秀逸で、町を周ることで町の魅力を最大限に表現するために360°撮影をしてほしいと言ってもらえたことがうれしかった。360°写真の良いところは、現地に行くことが出来ない人でも疑似体験をすることができ、閉鎖空間でも非常に面白く表現できるということを今回の受講者から教えてもらえた、というお話をしていただきました。

後に谷中氏からは、地域プロモーションを行う上で、「コンセプト」が非常に大切とお話され、「耳に残るコンセプト」があることで人々の目に留まることができること、360°撮影も360°だからこそ伝わるスケール感を実感してもらえたこと、「作る」「届ける」「検証する」という3つの行程を忘れがちになってしまうため、この3つの行程は必ず気を付けてもらいたいこと、コンセプトだけでなく、「ラフ」まで作ることで自分が作りたいもののイメージがブレずに作成できること、非常に高い予算と非常に長い時間をかけて行っていたものも今回のプレームワークが分かっていれば非常に低予算でスピーディーにできてしまうことをお話されました。

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カリキュラム

9月8日(土)

10:00~10:20 開講式

10:20~11:20 講義①「地域プロモーションに必要な視点と技法」

         講師:谷中 修吾 氏(一般社団法人INSPIRE代表理事)

11:20~12:00 講義②「編集者視点の紙面構成とその手法」

         講師:谷中 修吾 氏、堀口 正裕 氏(TURNSプロデューサー)

13:00~13:50 「富岡市の現状と課題」と演習課題説明

         講師:谷中 修吾 氏、加藤 健輔 氏(株式会社ブリッヂ代表取締役)、

            藤間 和彦 氏(富岡市地域づくり課係長)

13:50~14:50 富岡製糸場見学

14:50~18:00 グループワーク・フィールドワーク

9月9日(日)

9:30~12:00 グループワーク・フィールドワーク

13:00~14:30 実践塾の振り返り・富岡市役所見学

14:30~16:20 発表・講評

16:20~16:30 閉講式

講師紹介

総監修/講師 谷中 修吾 (一般社団法人INSPIRE代表理事)

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ビジネスプロデューサー/クリエイティブディレクター。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻卒。松下政経塾卒塾。外資・戦略コンサルティングファームを経て、現職。ブランドマーケティング技法を駆使して、WEB、動画、写真、フライヤー、カンファレンスなど、すべてのメディアで製作を総指揮。富岡市メディアラボ 所長。内閣府「地域創生カレッジ」講師。

ゲストアドバイザー 堀口 正裕 氏(TURNSプロデューサー)

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「地域の魅力を再発見。人と地域を結び、移住を応援する雑誌『TURNS』」のプロデューサー。2012年、日本を地方から元気にしたい、地方暮らしの素晴らしさを多くの若者に知ってほしいとの思いから「TURNS」を創刊。地方で働き、暮らすためのヒントを発信している。

ゲストアドバイザー 加藤 健輔 氏(株式会社ブリッヂ代表取締役)

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国内初のGoogleマップ インドアビュー認定フォトグラファーとなり、株式会社ブリッヂを設立。GoogleストリートビューやオーダーメイドVRを活用した地方創生事業を行い、長野県小布施町で地域の魅力をGoogleストリートビューに反映させる「地域まるごと見える化プロジェクト」において、中心市街地の主要な商業施設の室内空間を360度カメラで撮影。

連絡先

情報・広報プロモーション課
TEL:03-5202-6137  FAX:03-5202-0755  E-mail:kouhou@jcrd.jp