【終了レポート】令和4年度 地方創生実践塾in群馬県みなかみ町

地方創生実践塾 終了レポート

2022年08月16日

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ポストコロナ時代の新しい旅のカタチ"ナノツーリズム"の思考と実践~『葉っぱ一枚すら観光資源?』アイデア次第の地域資源掘り起し術~

令和4年6月24日(金)~25日(土)の2日間、群馬県みなかみ町で「ポストコロナ時代の新しい旅のカタチ"ナノツーリズム"の思考と実践~『葉っぱ一枚すら観光資源?』アイデア次第の地域資源掘り起し術~」をテーマとして、令和4年度地方創生実践塾を開催しました。全国各地の行政職員や大学生など24名のご参加をいただきました。

■1日目:6月24日(金)

●講義「みなかみ町の「観光」に関する全体解説」

講師:田村 秀 氏(長野県立大学教授)

 田村氏から、みなかみ町の現状について、まちと観光の側面からご紹介いただきつつ、新たな取組として「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」と「上毛高原駅を核としたまちづくり構想」について解説していただきました。

 その上で、地方創生において重要なこととして、行政や地域住民その他の関係者がそれぞれの意見をぶつけて連携することが大事だという説明がなされました。

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●グループワーク「2日間の目標と活動内容の説明、グループごとの自己紹介」        

講師:福田 一樹 氏(一般社団法人みなかみ町体験旅行 専務理事)

 

 6名程度のグループで、各自今回の実践塾に参加した目的や2日間の目標などについて共有しました。

 幅広い年齢層や職種の方々が参加し、自分たちの活動や実践塾の目標について熱心に話をしている姿が印象的でした。

●講義「地域密着旅行の実践例と手法の解説」                  

講師:福田 一樹 氏(一般社団法人みなかみ町体験旅行 専務理事)

 

 主任講師の福田氏から「手段と目的を明確にする」「自分とは何者なのか?を理解する」という2つの研修目的を踏まえ、地域にあるものを活かした地域活性化の取組について、地域密着旅行を実践している立場からご講義いただきました。

 地域密着旅行を企画する上で重要なポイントして「地域で一番のものを売らない」「集客で得た知見や外部から見た魅力を地域の子どもたちに伝え、まちを持続させること」を意識しているという解説がなされましたが、これは旅行に限らず地域活性化に関する取組を進める上でも重要な意識であると感じました。

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●パネルディスカッション「地域密着型旅行がもたらす効果とは?多角的な視点で振り返る」

ファシリテーター

田村 秀 氏(長野県立大学教授)

パネリスト

加藤 正一 氏(みなかみ町立新治小学校校長)
飯島 健治 氏(さる小運営者、新治小学校児童元保護者)
小野 宏和 氏(みなかみ町観光商工課主幹)

 田村氏のファシリテーションのもと、加藤氏、飯島氏、小野氏がどのような思いをもって地域活性化に取り組んでいるのかディスカッション形式でお話いただきました。

 いずれの方々も、お互いが連携しながら修学旅行や廃校、豊かな自然といった既に地域にあるものを活かして地域活性化に取り組んでいる話が印象的でした。

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■2日目:6月25日(土)

●フィールドワーク「アロマオイルの抽出体験」                                                                     

講師:長壁 総一郎 氏(Licca) 長壁 早也花 氏(Licca)

                                          

 講師をしていただいた長壁ご夫妻は、自然や人、環境の良さに魅了されてみなかみ町に移住し、2020年にアロマオイルブランド「Licca」を立ち上げられています。講義の中で、「香りはみなかみのことを思い出すきっかけになる。香りを通じてまちと人をつなげたい」とお話をされていたのが印象的でした。

 フィールドワークでは、参加者全員が各グループに分かれ、さる小の敷地内に生えている草木を採取して、それをアロマオイルとして抽出する体験をしました。グループごとに、この草木を採取するとどのような香りが出るだろうかと楽しく会話しながら考えており、いざアロマオイルが抽出されて香りを嗅いだ際には自然と笑みがこぼれていました。この体験を通じて、「草さえあれば笑いもおきる」という身近にあるものを磨くことの大切さを実感しました。

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●グループワーク「2日間の振り返り、自分の地域をどのようにしたいかを考える」「最初の1歩は何から始めるかを考える」                                                 

講師:福田 一樹 氏(一般社団法人みなかみ町体験旅行 専務理事)

 

 福田氏から、仲間と連携して企画を進めていく上で、巻き込ませる人(大きな枠組みを作る人)、巻き込む人(企画する人)、巻き込まれる人(自分の持ち味を出す人)の中で自分がどのポジションなのか考えることが大事だという説明がありました。

 その上で、自分がどのポジションにいて、どのような役割を果たすのかグループごとに話をして共有しました。

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●まとめ

 みなかみ町では、ユネスコエコパークに認定された豊かな自然を活かした取組が進められています。そのようなみなかみ町の実践塾を踏まえ、最も印象的だったのは「1つのものを深掘りする」という考え方です。

 地域の資源が少ないと、新しく資源をつくることを考えがちですが、みなかみ町のアロマ抽出体験などを通じて、既にある資源を磨き上げていくことで資源の付加価値が高まるという好循環が生まれるということを実感しました。

 また、その循環を生み出すために、地域の人を巻き込み、一緒に動いてくれる「仲間」をつくることがポイントだと学ぶことができました。

 このこと以外にも多くのことを学ぶことができ、大変有意義な2日間になりました。

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スケジュール

1日目:6月24日(金)

〇オリエンテーション 会場:泊まれる学校 さる小

〇講義Ⅰ「みなかみ町の「観光」に関する全体解説」

みなかみ町政策アドバイザー 田村 秀 氏

〇グループワークⅠ 2日間の目標と活動内容の説明、グループごとの自己紹介

〇講義Ⅱ「地域密着旅行の実践例と手法の解説」

   一般社団法人みなかみ町体験旅行 専務理事 福田 一樹 氏

〇パネルディスカッション 地域密着型旅行がもたらす効果とは?多角的な視点で振り返る

ファシリテーター:田村 秀 氏

パネリスト:加藤 正一 氏(みなかみ町立新治小学校 校長)

      飯島 健治 氏(さる小運営者、新治小学校児童元保護者)

      小野 宏和 氏(みなかみ町観光商工課 主幹)

〇グループワークⅡ 講義内容に関する意見交換、質疑応答

2日目:6月25日(土)

〇フィールドワーク アロマオイルの抽出体験 

Licca 長壁 総一郎 氏、長壁 早也花 氏 

〇グループワークⅢ 2日間の振り返り、自分の地域をどのようにしたいかを考える

〇グループワークⅣ 最初の1歩は何から始めるかを考える

〇個人ごとの発表、総括