平成28年度第2回土日集中セミナー「RESAS・ビッグデータ使いこなそう!!~DMO時代の観光マーケティング実践力強化講座~」

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 募集終了 終了レポート

2016年06月11日

平成28年度の第2回地方成功人材のマッチングによる土日集中セミナー「RESAS・ビッグデータ使いこなそう!!~DMO時代の観光マーケティング実践力強化講座~」を6月11日(土曜日)、12日(日曜日)の2日間で開催しました。

今回のセミナーは、株式会社電通の加形拓也さん、岡田健一さんを講師に迎え、観光に焦点をあてながら、ビッグデータやRESASといったデータの活用と、需要を生み出すための「体験」価値の創出を一体的に駆使し、実践的な力を養うとともに、変化する社会環境や大量の情報に振り回されることなく、多様な分野において活用できるノウハウを学んでいくことが狙いです。

6月11日(1日目)

セミナー風景1

1日目の最初のプログラムは、セミナーの導入である「マーケティング」の考え方について学びました。

マーケティングと聞くと、より多くの利益をあげるための手段と考える方もいるのではないでしょうか。マーケティングとは様々な事態に対応できる「基本の考え方」であり、大切なことは、「顧客を定めること」、「顧客のニーズを見極めること」、「継続できるようにすること」の3つであることを、様々な商品やサービスの事例を交えながら加形氏より講義していただきました。

セミナー風景2

そして、地域が抱える「後継者不足」、「市街地空洞化」、「住民の高齢化」など、様々な課題を、「観光交流」を通じて一挙にどう解決することができるのか、観光振興で地方創生に取り組む複数の事例を読み解くとともに、マーケティングを効果的に行うための手段へと講義は繋がったところで、今回のセミナーの目玉である「エクスペリエンス・デザイン」という言葉が出てきました。

セミナー風景3

「エクスペリエンス・デザイン(体験を設計する)」とは顧客のニーズとビジネスの継続性を両立させることです。例えば、人は普段の生活の中で複数の観光地を知り、行先を検討し訪れます。その後、観光客がリピーターになり、体験を友人等に話す「口コミ」によって情報が広がります。このように、観光地での行動だけに焦点を当てるのではなく、その時々のターゲットの気持ちを想像し、可視化して考えるための手法が「エクスペリエンス・デザイン」です。

また、岡田氏からは、「デザイン思考」は新たな価値を生み出す方法論であると説明がありました。例えば、皆さんは、手すりは真っ直ぐであるという先入観がありませんか?実はくねくね曲がっている手すりもあり、事故の軽減や足への負担が軽減される効果があります。このように、概念にとらわれず設計し、創り出すことが「デザイン思考」です。

初日の最後のプログラムは、「エクスペリエンス・デザイン」を使って、観光プランの内容を組み立てる事例演習を行いました。

参加者は5つのグループに分かれ、情報の発信から観光地の充実、産品購入からリピーターの獲得、口コミによる新たな観光客を呼ぶための具体的な内容を検討していきました。各グループともに素晴らしいアイディアが出され、実践を通じて「エクスペリエンス・デザイン」の考え方を深めていくことができたのではないでしょうか。

セミナー風景4

6月12日(2日目)

2日目は1日目に引き続き、事例演習を中心に行い、1日目に考えた観光プランを更に磨いていきました。その後、各グループで考えた観光プランに対して、一つひとつ丁寧に講師からフィードバックをすることで、参加者は具体的なノウハウを学ぶことができたと感じています。

セミナー風景5

講義後は、講師のお二人に対する質疑応答の時間を設けました。行政における横の繋がりの難しさをどう解消していくのかという参加者からの問いに対しては、組織における対応の重要性や顧客目線で行政の課題に取り組むことが横の繋がりを作り出すのではないでしょうか。

また、現在、一つの組織で解決できることは少ないため、横の繋がりの重要性が更に求められているというお話には、参加者の皆さんも強く共感されたことと思います。

今回のセミナーは観光がテーマでしたが、地域振興に繋がる広義の「エクスペリエンス・デザイン」をしていくことが、これからの観光振興をしていくうえで必要であり、それは、どうしても一つの事業者だけでは持ちえない発想です。それを解決するためには、自治体の考えも含めながら事業者とのネットワークの構築や予算配分をし、対象の方の気持ちを考えて計画、実践していくことが必要であるとまとめられまし

集合写真

最後に、参加者の声を一部ご紹介します。

  • 「エクスペリエンス・デザイン」を今後活用したい。
  • 講義で聞いた内容を踏まえてワークができたのでよかった。フィードバックもあり大変有意義だった。
  • とても勉強になった。観光だけの話ではなくすべてに使えると思った。
  • デザイン思考の考えは目からウロコだった。

プログラム詳細

1日目

開講式 挨拶:一般財団法人地域活性化センター理事長 椎川 忍
講義I 「マーケティング概論」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏
講義II 「マーケティングで読み解く地方創生事例」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏
講義III 「「エクスペリエンス・デザイン」とは」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏、岡田 健一氏
講義IV 「事例演習(前半)」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏、岡田 健一氏

2日目

講義V 「マーケティング・プロモーション」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏
講義VI 「事例演習(後半)」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏、岡田 健一氏
講義VII 「ビッグデータ活用入門」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏
講義VIII 「PDCAとはなにか」
講師:株式会社電通 加形 拓也氏
質疑応答
閉講式

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