【終了レポート】2019年度第3回土日集中セミナー「共創参画を促すシティプロモーション~人と地域をつなぐ編集の仕掛け~」

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 終了レポート

2019年07月30日

 2019年度第3回土日集中セミナー  
「共創参画を促すシティプロモーション~人と地域をつなぐ編集の仕掛け~」

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 2019年度 新たな知と方法を生む土日集中セミナー「共創参画を促すシティプロモーション~人と地域をつなぐ編集の仕掛け~」を6月22日(土)・23日(日)に地域活性化センターで開催しました。今回は、全国各地から自治体職員など42名のご参加をいただきました。

イントロダクション「シティプロモーションとローカルメディア」
講師:河井 孝仁 氏(東海大学文化社会学部広報メディア学科 教授)

地域(まち)に真剣(マジ)になる人を増やす

IMG_8920.JPG井氏からは、今必要とされているシティプロモーションの背景や必要な視点、考え方についてご講義いただきました。「地域」とは参画する主権者つまりは住民によって成り立っているもので、その住民が如何に当事者意識を持って、地域課題を真剣に受け止め、課題解決のために参画してくれるかが重要であると指摘されました。地域課題を真剣に考える人、つまり「地域(まち)に真剣(マジ)になる人」をどれだけ増やせるか、そしてその増やすための仕組みづくりが、この人口減少社会を切り抜けるうえで必要であることを学びました。 

講義Ⅰ「人と地域をつなぐローカルメディアの最前線」
講師:影山 裕樹 氏(合同会社千十一編輯室 代表)

メディアは人と地域ををつなぐ手段

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山氏からは、ローカルメディアの現状や重要性についてご講義いただきました。 メディアは作ることが目的ではなく、地域や人をつなぐ手段であると気付くことが重要だと言及し、「ヒト」もメディアと同様に媒介物として、地域と人をつなぐ役割を持っており、広い意味での編集者がこれからの時代には必要であることを強調されていました。 

講義Ⅱ「『小さな世界都市』豊岡」
講師:田口 幹也 氏(城崎国際アートセンター 館長)

アーティストも編集者に

IMG_9008.JPG口氏からは、出身である兵庫県豊岡市で行ってきた文化・芸術による地方創生を事例に、アーティストが人と地域をつなぐ編集者となり、地域の人々の地域参画意欲醸成 につながっていることをご講義いただきました。地方で暮らす価値をアップデートし、共感する人を増やしていく必要があるというお話がとても印象的でした。

 

講義Ⅲ「横浜における市民参加型メディアの活動とコミュニティデザイン」
講師:杉浦 裕樹 氏(ヨコハマ経済新聞 編集長)

地域の価値と課題を「見える化」

高山.png浦氏からは、実践者の立場から、ヨコハマ経済新聞などの事例をご紹介いただき、多様な主体をつなぎ、地域参画を増やすことの重要性についてご講義いただきました。地域コミュニティをデザインし、地域情報ネットワークを構築することで、人との出会いを創出し、活躍の舞台をつくることで、地域の価値と課題を「見える化」する方法を学びました。

パネルディスカッション&グループワーク

ターゲティングの重要性

美ら海.png日目の後半は講師4名によるパネルディスカッションが行われました。ローカルメディアの可能性や地域を面白がる人たちに気付いてもらえる仕掛けについて、各講師の皆様よりご意見いただきました。そのなかで、誰を対象とするか(ターゲティング)が重要であり、その人がどんな経験をしてきたかにより、持っているエリア性とテーマ性が変わり、その両方を考えている人と如何につながることができるかでシティプロモーションの可能性を存分に広げられることを学びました。

 

地域魅力創造サイクルを実践

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ループワークでは、積極的にまちに関わり、まちの魅力を高めたい人を増やすため、河井氏が提唱する「地域魅力創造サイクル(「発散」「共有」「編集」「研磨」)」を意識して、課題自治体の地域資源をもとに3人のペルソナ(仮想の人物)を立て、どういう人が当該自治体を求めているのかを可視化し、共有します。同じグループの参加者が媒介者となり、地域推奨意欲が高まっていくことを、実践を通して学ぶことができました。

セミナーを終えて

 今回のセミナーでは、人材や地域の特性は違えども、ローカルメディアをどのように活かし、どのように人と地域をつなぐことができるかが、シティプロモーションには必須であると強く感じました。講義や地域魅力創造サイクルなどで学んだことを活かし、参加された皆様にとって、人と地域がつながれる仕組みづくりの一助となることを期待しています。

以上、終了レポートでした!

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講演者紹介 

河井 孝仁 氏(東海大学文化社会学部広報メディア学科 教授)

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 シティプロモーション研究・実践支援の第一人者。奈良県生駒市など、全国の自治体が行う、地域(まち)に真剣(マジ)になる人を増やす仕組みづくりの支援をおこなっている。具体性に溢れる「魅力創造ワーク」や「メディア活用戦略ワーク」などにより、まちの特性や資源を見つけ出し、「まちに関わる人=まちを変えることができる人」の共感を戦略的に獲得する手法を先駆的に提示している。著書に『「失敗」からひも解くシティプロモーションーなにが「成否」をわけたのか』など。

 

影山 裕樹 氏(合同会社 千十一編輯室 代表)

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 編集者、プロジェクト・エディター。早稲田大学第二文学部卒業後、雑誌「STUDIO VOICE」編集部を経てフィルムアート社に入社。『ヨーゼフ・ボイス よみがえる革命』『じぶんを切りひらくアート』『横井軍平ゲーム館 RETURNS』などの美術書、カルチャー書を多数手がけた後に独立。各地で様々な地域プロジェクトのディレクションに携わる。著書に『大人が作る秘密基地』『ローカルメディアのつくりかた』、編著に『ローカルメディアの仕事術』など。

 

 

田口 幹也 氏(城崎国際アートセンター 館長)

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 豊岡市日高町生まれ。NPO法人「本と温泉」の仕掛け人。東京で飲食店の経営やメディアの立ち上げなど様々なキャリアを積んだ後、2011年東日本大震災を機に帰郷。2013年より豊岡市大交流アクションプランアドバイザーとして「豊岡エキシビション」の企画・運営に携わるほか、豊岡市の魅力を発信するための活動を行っている。2015年より現職。

 

 

 

杉浦 裕樹 氏(ヨコハマ経済新聞 編集長)

杉浦さん(HP用).jpg

 学習院大学卒業後、舞台監督として国内外で音楽・ダンス・演劇等の現場を経験。2003年にNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボを設立。翌年にはインターネット媒体「ヨコハマ経済新聞」を開設。2014年に横浜市内の地域課題を市民参加型で解決していくウェブプラットフォーム「LOCAL GOOD YOKOHAMA」を開設。運営や各種プロジェクトを通し、人と人をつなぎ、価値あるヒト・モノ・コトを顕在化させる活動を行っている。

 

 

スケジュール(予定)

※内容が変更となる場合もあります。変更があった際は、このページ等でお知らせいたします。

1日目(6月22日)

12:00~12:30 受付
12:30~12:40 開講式
12:40~13:10

イントロダクション  講師:河井 孝仁 氏

13:10~14:10

講義Ⅰ 講師:影山 裕樹 氏 

14:20~15:20

講義Ⅱ 講師:田口 幹也 氏

15:20~16:20

講義Ⅱ 講師:杉浦 裕樹 氏

16:30~17:30

パネルディスカッション 

ファシリテーター:河井氏、パネリスト:影山氏、田口氏、杉浦氏

17:30~18:00

1日目のまとめ及び質疑応答 講師:河井 孝仁 氏

18:30~20:00

交流会(会費制)

2日目(6月23日)

9:00~9:30

前日の振り返り及びグループワーク説明 講師:河井 孝仁 氏

9:30~11:00

グループワーク

11:00~12:10

発表

12:10~12:15

まとめ

12:15~12:20

閉講式

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp