【終了レポート】令和元年度 新たな知と方法を生む土日集中セミナー 「地域における"シェアリング"の可能性~分かち合いが紡ぐ、つながりの価値とは~」

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 終了レポート

2019年08月05日

令和元年度 新たな知と方法を生む土日集中セミナー「地域における"シェアリング"の可能性~分かち合いが紡ぐ、つながりの価値とは~」

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 令和元年度第4回土日集中セミナーが7月13日(土)、14日(日)に日本橋プラザ会議室で開催されました。遊休資産を有効活用する手法・施策として"シェアリングエコノミー"に注目が集まっています。地域課題解決のひとつの手法としてだけではなく、シェアを活用することで生まれる地域内経済循環やコミュニティの再構築など、人と地域のつながりを生む価値について学びました。

講義Ⅰ「シェアリングエコノミー活用推進事業について」
講師:畑山 栄介 氏(総務省自治行政局地域振興室長)

「シェアリングは様々な可能性を秘めている!」

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務省自治行政局地域力創造グループ 地域振興室長畑山氏からは、地方創生の実現に向け"シェアリングエコノミー"を活用する意義や、全国の事例から見えてきた今後の課題と方向性について学びました。 シェアリングエコノミーは、新たな「共助の仕組み」を生み出し、地域課題解決や地域活性化に向けた一つの手法として注目されています。
総務省で作成されたシェアリングエコノミー活用の事業モデルをもとに、「実施前」「準備期」「実施期」「継続検討期」のフェーズごとにおける効果的な取り組み内容が示されました。
「自治体財政負担が少ないスキームを検討し、自走できる組織を構築する」「既存の類似サービス提供者への説明・調整」「プロデューサーとなる中間組織設置」など、今後取り組む上で必要な方向性を学びました。
 

講義Ⅱ 「つながりを生かすまちづくり~地方創生、シェアリングエコノミー、SDGsを事例に~」
講師:石井 重成 氏(岩手県釜石市オープンシティ推進室長)

「つながりを生かした地域づくり!」

IMG_2245.JPG手県釜石市オープンシティ推進室長石井氏からは、釜石市が掲げるオープンシティ戦略に基づく、復興プロセスで得た最大の資産「つながり(関係人口)」を生かしたまちづくりについてご紹介いただき、釜石市で取り組まれているシェアリングエコノミーの事例を踏まえ、多様な主体を生かしたコミュニティ活動や経済活動を通じた、持続可能な地域づくりについて学びました。 地方創生とは、その地域に暮らす・関わる可能性を最大化するエコシステムを構築することであり、シェアリングエコノミーのような社会の動向を見定めた先行投資的な取り組みが重要だと提示されました。

講義Ⅲ 「地域におけるシェアリングエコノミーの活用事例」
講師:佐別当 隆志 氏((一社)シェアリングエコノミー協会常任理事)

「成功の鍵はステークホルダーの連携!」

IMG_2286.JPG般社団法人シェアリングエコノミー協会 常任理事佐別当氏からは、消費者の意識や行動が「所有」から「共有・利用」へと変化し、シェアリングエコノミーという新しい消費モデルが台頭していることを踏まえ、今後の地域づくりの方向性について学びました。 シェアリングエコノミー市場の経済規模は、2018年度に過去最高の1兆8000億円を越え、2030年には11兆円にまで拡大することが予測されています。
人口減少、超少子高齢化が進行する中、公共サービスへの依存や企業間の過当競争ではなく、地域の遊休資産を活かしながら様々なシェアサービスを経済成長と社会課題を解決する手段として、行政、企業そして個人が連携して取り組むことが重要だと指摘されました。

パネルディスカッション 「地域おける"シェアリング"の可能性」
講師:畑山氏×石井氏×佐別当氏 

「"シェア"で個人も地域も豊かになる!」

IMG_2329.JPG 講者からいただいた感想や質問をもとに、講師3名によるパネルディスカッションが行われました。 シェアリングエコノミー市場が拡大している背景に触れ、地域課題解決の手法として普及し始めている側面と、消費者の行動変容が影響している側面もあるとし、行政の定めるKPI設定や効果測定について、各講師よりご意見をいただきました。
また、釜石市で取り組まれている高校生のキャリア教育の事例から、関係人口が地域にもたらす多様な視点は、地域内外の人々の地域参画意識の醸成につながっているとし、"シェア"という発想が、個人も地域も豊かにするということを学びました。

グループワーク

「自分たちの地域で紡ぐ、つながりの価値とは」

IMG_2503.JPG 土日集中セミナー2日目は、シェアリングエコノミー事業者3社(CAMPFIRE様、SPACEMARKET様、TABICA様)の事業説明の後、グループワークが行われました。 グループワークでは、自分や地域、企業が持つ魅力や能力を書き出し、協力が必要なモノ・コトをグループ内で把握・共有することで、新たな気づきを得る機会になりました。
最後に、講師や事業者3社からグループワークの内容に対してご意見やアドバイスをいただき、有意義なアウトプットの場となりました。

セミナーを終えて

 今回のセミナーでは、"シェア"という発想が、単なる経済活動だけに留まらない、多様な人々が地域に関わる機会創出にもつながっていると学びを深められたと思います。 今回の学びを活かし、参加者の皆様の地域でも"シェア"の取り組みや、多様なステークホルダーの連携が進み、地域活性化につながることを願っております。

以上、終了レポートでした!

今後も面白いセミナーが目白押しですので、是非ご参加ください!!

講演者紹介 

佐別当 隆志 氏さべ.png (一社)シェアリングエコノミー協会 常任理事

2000年ガイアックス入社。2013年個人プロジェクト家族とゲストのための

一軒家「Miraie」の運営開始。2016年シェアリングエコノミー協会設立、

事務局長に就任。2017年内閣官房シェアリングエコノミー伝道師に任命、

株式会社mazelを創業、2019年定額制全国どこでも住み放題の多拠点コリビング

(co-living)サービスを展開する株式会社アドレスを設立。

同年シェアリングエコノミー協会常任理事に就任。


ishii.png石井 重成 氏 釜石市オープンシティ推進室 室長

1986年愛知県西尾市生まれ。国際基督教大学を卒業後、経営コンサルティング会社勤務を経て、

東日本大震災を機に釜石市へ移住。SDGsを踏まえた地方創生ビジョン「釜石市オープンシティ戦略」

を策定し、半官半民の地域コーディネーター釜援隊、グローバル金融機関と連携した高校生キャリア教育、

広域連携による移住・創業支援の展開などを通じて、人口減少時代の持続可能な復興まちづくりを推進。

2017年内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、2018年総務省地域情報化アドバイザーに任命。

一般社団法人地域・人材共創機構 代表理事。


畑山 栄介 氏 総務省自治行政局地域振興室 室長

総務省は、シェアリングエコノミーを活用して、地域の社会課題解決や新たな生活産業の実証・実装による

地域経済の活性化を図るため、地方公共団体が実施するモデル事業を支援している。

スケジュール

1日目(7月13日)

12:30~13:00 受付
13:00~13:10 開講式
13:10~14:10

講義Ⅰ 講師:畑山 栄介 氏

14:20~15:20

講義Ⅱ 講師:石井 重成 氏 

15:30~16:30

講義Ⅲ 講師:佐別当 隆志 氏

16:40~17:35

パネルディスカッション 畑山氏×佐別当氏×石井氏

17:35~17:40

1日目のまとめ

18:15~20:00

交流会(会費制)

2日目(7月14日)

09:00~09:05

チェックイン

09:05~09:10

1日目の振り返り

09:10~09:55

シェアサービス事業紹介

10:05~11:35

グループワーク

11:45~12:30

発表

12:30~12:35

2日目のまとめ

12:35~13:00

閉講式(事務連絡等)

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp