【終了レポート】令和2年度(週末開催)「未来と地域を創る教育~地域と交わる人材育成と社会教育の可能性~」

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 終了レポート

2021年03月12日

 サムネイル.png

 令和2年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「未来と地域を創る教育~地域と交わる人材育成と社会教育の可能性~」を令和3年2月19日(金)にオンラインで開催しました。全国各地から自治体職員など34名のご参加をいただきました。

講義Ⅰ・Ⅱ「社会をつなげる社会教育へー子どもたちも地域住民も「わくわく」を贈りあう地域をつくろう/ポスト・コロナとAIそして人生100年時代―」

牧野 篤 氏(東京大学大学院教育学研究科 教授)

牧野写真001.jpeg

 愛知県出身。名古屋大学大学院修了。博士(教育学)。

 専門の領域は、社会教育学・生涯学習論で、人が生活の営みを続け、成長していくことに現れる様々な事象を通して、人が幸せに暮らすために何ができるのかを考え、社会のあり方を構想し、実践すること、とくにコミュニティの自律と住民の学習とのかかわりに関心がある。最近では、自治体と一緒になって公民館や生涯学習の共同調査、多世代交流型コミュニティの構築などを進ている。文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会臨時委員等を務める。

社会教育を基盤とした人づくり・地域づくり

 牧野氏から社会教育の現状や背景、地域社会のあり方を住民が主体的に考えたまちづくりの事例についてご講義いただきました。

 社会教育とは学校の教育課程として行われる教育活動以外の教育活動のことを指します。社会をきちんと次の世代につなげるためには、この社会教育を基盤とした人づくりや地域づくりが重要になります。しかし、行政には社会教育や生涯教育の重要性が浸透していないため、今後、学校教育と連携して次世代を担う人材を育成し、人々が共生する社会を創る必要性を強調されました。さらに、住民が主体となって地域社会に関わるためには、試行錯誤を繰り返しながら楽しんで学ぶことが重要であるとも話されました。

講義Ⅲ「未来と地域を創る教育~地域と交わる人材育成と社会教育の可能性~」

宮城 潤 氏(NPO法人地域サポートわかさ 理事)

宮城写真(トリミング).png

 沖縄県出身。2006年社会教育指導員として那覇市若狭公民館に勤め、その翌年に非常勤館長、その後、一部業務受託団体事業責任者、指定管理者の館長と4回の職名変更を経ながら若狭公民館勤務15年目。 その間、若狭公民館は、全国公民館ホームページコンクール、館報コンクール、インターネット活用コンクールにおいて、最優秀賞6回、優秀賞2回、優良賞1回受賞。第70回優良公民館表彰(2017年度)では「最優秀館」に選ばれる。

 現在、文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会臨時委員を務める。

多様な主体との協働

 宮城氏から公民館の担う役割や自身が館長を務める沖縄県那覇市若狭公民館の取組についてご講義いただきました。

 近年、地域課題の多様化・複雑化に加え、地縁組織とのつながりが希薄化し、公民館の役割は変化してきています。趣味などの小さなコミュニティが緩くつながることでセーフティネットの役割を果たし、誰にでも居場所がある地域を作ることができると強調されました。また、特定のつながりやコミュニティだけではなく、その外側にも目を向けて多様性を考える想像力を働かせながら活動する必要性についても話されました。

講義Ⅳ「社会教育士について」

⻄⽥ 将史 ⽒(⽂部科学省総合教育政策局地域学習推進課 課⻑補佐)

これからの活躍への期待

 西田氏から令和2年4月からスタートした「社会教育士」についてご講義いただきました。

 これまで、社会教育を行う者に対する専門的、技術的な助言・指導に当たる役割を担っていた社会教育主事でしたが、これまでの活動に加え絆づくりや地域づくりに向けた体制づくりが求められるようになりました。そこで、豊かな地域づくりへの展開を支援するため、新たに「コーディネート能力」「プレゼンテーション能力」「ファシリテーション能力」といった実践的な能力を備えた社会教育士が創設されました。社会教育は様々な分野に貢献できるので、社会教育士の役割や地域に入り込むことで期待される効果についてアピールしていきたいと話されました。

 【参考】文部科学省ホームページ 社会教育士ロールモデル

     https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/mext_00667.html

トークセッション&グループワーク

 トークセッションでは、講師3名による社会教育に関するフリートークと講義を通して生じた受講者からの質問に対しての回答をいただきました。

 グループワークでは自分の住む地域の資源について考え、講義を通して得た気づきなどから地域でやってみたいことや実現したいことについて共有を行いました。

 トークセッション(現地)加工.jpg

セミナーを終えて

 今回のセミナーを受講し、社会教育によって多様化する地域課題の解決策を模索できること、希薄化したつながりを結びつけられることを学びました。

 これまで、社会教育は一般行政とは関係がないものと思っていましたが、人づくりや地域づくりにおいて活用できることを知り、とても勉強になりました。今後、社会教育が様々なところで活用され、地域の人材発掘や課題解決に向けて楽しみながら取り組む地域が増えることを期待したいです。

以上終了レポートでした

今後も面白いセミナーが目白押しですので、是非ご参加ください!

スケジュール(予定)

※内容が変更となる場合もあります。変更があった際は、このページ等でお知らせいたします。

2月19日(金)

9:30~10:00

受付

10:00~10:10

開講式・アイスブレイク

10:10~11:00

講義Ⅰ    講師:牧野 篤 氏

11:00~11:10

休憩

11:10~11:50

講義Ⅱ    講師:牧野 篤 氏

11:50~12:00

牧野講師への質疑 フォーム入力

12:00~13:00

休憩

13:00~13:50

講義Ⅲ    講師:宮城 潤 氏    

13:50~14:00

宮城講師への質疑 フォーム入力

14:00~14:10

休憩

14:1014:40

社会教育士の活動について  講師:西田 将司 氏

14:40~14:50

休憩 

14:50~15:30

講師によるトークセッション

15:3016:10

グループワーク

16:1016:20

休憩

16:20~16:40

全体共有

16:40~16:50

振り返り

16:5017:00

閉講式

18:00~

講師とのオンライン相談会 ※希望者

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp