【終了レポート】令和3年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー『スポーツを核としたまちづくり~健康づくり、人づくり、まちづくり~』

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 終了レポート

2021年06月15日

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令和3年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「スポーツを核とした持続的なまちづくり ~健康づくり、人づくり、まちづくり~」を令和3年5月21日(金)にリアルとオンラインを併用して開催しました。全国各地から自治体職員など19名のご参加をいただきました。

講義Ⅰ 「スポーツを通じた地域課題の解決とスポーツ地域マネジメント」

◆原田 宗彦 氏(大阪体育大学 学長)

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1954年大阪府生まれ。1977年京都教育大学教育学部卒業。1979年筑波大学大学院体育研究科修了。1984年ペンシルバニア州立大学体育・レクリエーション学部博士課程修了。鹿屋体育大学助手、大阪体育大学講師・教授、フルブライト上級研究員(テキサスA&M大学)、早稲田大学スポーツ科学学術院教授などを経て2021年4月より現職。その他、日本スポーツマネジメント学会(JASM)会長、一般社団法人日本スポーツツーリズム推進連携機構(JSTA)会長などを兼務。主な著書に『スポーツ都市戦略』(学芸出版社)、『オリンピックマネジメント』(大修館書店)『スポーツ地域マネジメント』(学芸出版社)などがある。

「スポーツ×文化×観光の可能性」

原田氏からは、スポーツツーリズムと、スポーツを活用したまちづくりについてご講義いただきました。スポーツツーリズムにおいては、いかにアクティビティを造成し、経済的価値を生み出せるかが大切だと学びました。日本には豊かな自然や沖縄空手、相撲、やぶさめなどの伝統文化があり、これらをアクティビティとして活用することで、日本中どこでもスポーツツーリズムが実現できると話されました。また、スポーツによるまちづくりでは、身体活動を誘発する環境が大切だとお話がありました。そのためには、ナッジ理論を活用し、人が「動く」という意思決定をできるような環境をデザインして、自発的な行動変容を促すことが大切だと学びました。

講義Ⅱ「スポーツ庁における地域振興政策」

原口 大志 氏(文部科学省スポーツ庁地域振興担当参事官)

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1974年広島県生まれ。1999年に農林水産省入省。入省後、農林水産省において食品流通行政、農協行政等に携わるとともに、内閣官房・内閣府において地域再生法の策定を担当。

その後、2006年から水産庁漁業保険管理官補佐、在カナダ日本国大使館1等書記官、水産庁企画課総括補佐、経営局総務課総括、水産庁漁政課総括等を歴任。2016年から水産庁資源管理部国際課漁業交渉官、在中華人民共和国日本国大使館参事官を経て、2020年から現職。

「スポーツの地域振興とスポーツによる地域振興」

原口氏からは、スポーツ庁における地域振興政策とスポーツツーリズム、スポーツコミッション政策とその歴史についてご講義いただきました。地域振興の事例紹介では、防災や草刈りなど、一見するとスポーツと関係ない活動をスポーツ化して地域振興をしている事例を紹介いただきました。競技スポーツだけではなく、体を動かす作業や日常生活の全てがスポーツとしての要素を持っていることを学びました。また、東京オリパラを機に全国的にスポーツへの関心が高まっている中、その関心を一過性のものとして終わらせず、スポーツ・レガシーとして、全国の地域でスポーツを活用したまちづくりを継続して行い、定着させることが大切だと話されました。

講義Ⅲ「笠間市におけるスポーツまちづくりの事例」

横山 孝夫 氏(茨城県笠間市都市建設部都市計画課 課長)

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1996年茨城県入庁。ナショナルサイクルルートに選定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」等の担当を経て,2019年4月から現職。国内最大級のスケートパーク建設に携わる。歴史と文化に彩られた自然豊かな笠間市で,アーバンスポーツをどのように生かしていくか,「住みよいまち 訪れてよいまち 笠間」を目指して奮闘中。

「アーバンスポーツを活用したまちづくり」

横山氏からは、笠間市におけるスポーツによる地域活性化の事例についてご講義いただきました。 笠間市では、域外から人を呼び込むための施策として、スケートボード専用施設の整備事業を実施しました。スケートボードを選定するにあたっては、オリンピックで日本人選手の活躍が期待される「アーバンスポーツ」の競技振興に注目されたそうです。また、施設整備をスケートボード日本代表の監督に設計・監修を依頼するなど、市をスケートボードの「聖地化」することで、大会やイベントの誘致、教育への展開など、幅広い分野での地域振興が可能であることを学びました。整備した施設は「笠間スポーツコミッション」を設立し、関係団体と連携して運営されています。今後は更なる施策展開やコミッションの機能を拡充させ、自立した組織への成長を目指していると話されました。

トークセッション&質疑応答

トークセッション・質疑応答では、セミナー参加者からのスポーツによるまちづくりを実施するうえでの質問に対し、講師の方々にお答えいただきました。原田氏からは、手広くいろいろなスポーツに手を出すと政策がぼやけてしまうので、地域内の状況を見ながら、どの世代を狙っていくのかを明確にして、取り上げるスポーツを決めることが大切だとお話がありました。また、横山氏からは、地域おこし協力隊を活用するのであれば、任期後の受け皿を用意するのは行政の役割であるとアドバイスをいただきました。

トークセッションの様子

セミナーを終えて

本セミナーを聴講して「スポーツツーリズムは自然豊かな環境があればどこでもできる」ということを学びました。私自身のスポーツに対する視野が広がり、スポーツによる地域振興を具体的にイメージすることができました。また、超高齢社会を迎えている現代において、スポーツをとおして健康寿命を延ばす取組が、今後も重要であると感じました。

講師と参加者で記念撮影

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以上、終了レポートでした!

スケジュール

5月21日(金)

13:00~13:10

開講式

13:10~14:10

講義Ⅰ      講師:原田 宗彦 氏 

14:20~15:00

講義Ⅱ      講師:原口 大志 氏

15:10~15:50

講義Ⅲ      講師:横山 孝夫 氏

16:00~16:50

トークセッション・質疑応答

16:50~17:00

閉会式・写真撮影

※セミナー終了後、個別相談会を実施