【終了レポート】令和3年度【スタンダード型】新たな知と方法を生む地方創生セミナー ワーケーションから始まる地域づくり~地域でつくる新しい働き方、暮らし方、関係性~

新たな知と方法を生む地方創生セミナー 終了レポート

2021年08月10日

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 令和3年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「ワーケーションから始まる地域づくり~地域でつくる新しい働き方、暮らし方、関係性~」を令和3年7月9日(金)にオンラインで開催しました。全国各地から自治体職員など31名のご参加をいただきました。

講義「ワーケーションから始まる地域づくり」

◆箕浦 龍一 氏(一般社団法人 官民共創未来コンソーシアム 理事(元総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官))

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総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官、一般社団法人官民共創未来コンソーシアム理事、一般社団法人日本ワーケーション協会特別顧問。

行政管理局時代に取り組んだオフィス改革を中心とする働き方改革の取組は、人事院総裁賞を受賞(両陛下に拝謁)。中央省庁初の、基礎自治体との短期交換留学も実現するなど若手人材育成にも取り組む。幅広い人脈を生かし、働き方、テレワーク、食と医療など様々なプロジェクト・コミュニティにも参画。

「DXとリモート時代の働き方とワーケーション」

 箕浦氏からは、これまでの知見をもとに、「DX」と「リモート」が主流となった今日における、人口の移動に影響を与える社会の変化や地方の可能性など、ワーケーションに関して総論的にご講義いただきました。

 これまで、オフィスや職場は働く拠点として必要不可欠でしたが、今日ではその役割は変容してきており、今後は「職住近接」から「職住分離」へのパラダイムシフトにより誰もが自分の望む場所で働きながら暮らせる社会になると話されました。

 また、様々な施設や空間の在り方、地域のデザインの形が問い直される時代を迎えているとも話され、時代の変化やニーズにあわせて、自治体はワーケーション施策を効果的に実施することが大切であると学びました。

事例発表Ⅰ「ワーケーションから始まる地域づくり」

◆庄司 透 氏(長崎県五島市地域振興部地域協働課 課長)

長崎県五島市生まれ。大学を卒業後、Uターン。

企画課、スポーツ振興課を経て、2018年度に新設された地域協働課の課長へ就任。五島市の最重要課題である人口減少対策として、地域づくりや移住施策に取り組む。

2018年度から2020年度にかけ、3年連続で200人超の移住者の受入れに成功。WEBメディアとの「リモートワーク実証実験」を皮切りに、「五島ワーケーション・チャレンジ」「島ぐらしワーケーションin GOTO」に取り組む。

「目的を明確にしたワーケーション施策」

 庄司氏からは、五島市が実施しているワーケーション施策についてご講義いただきました。
 平成30年5月に1か月間実施されたリモートワーク実証実験では、交通費と滞在費が自己負担であったにも関わらず、定員50名(当初30名)に対し150名から参加申し込みがあり、参加者の92%が満足感を得るなど盛況に終わったとのことで、それを機としてワーケーション施策を開始したと話されました。
 ワーケーション施策を企画・実施するうえでは、「ワーケーションはツール」であることの認識、「ほかの自治体との違いを出す」ことが大事であると話されました。また、「心かようワーケーション」にするため、訪れる方と受け入れる方の双方にメリットがあり、継続的にかかわりあう仕組みをつくることを大切にしていると話されました。そして、取組みを単発で終わらせることなく、幅広く考えて目的を達成することが重要だと学びました。コロナ禍ではありますが、今後もワーケーション施策の企画や実施をしていきたいと話されました。

事例発表Ⅱ「「選択的ワーケーションのすゝめ」〜仕事も旅も諦めない働き方〜ワークライフインテグーレーションな生き方〜」

◆椎野 磨美 氏(株式会社 環(KAN) CHO(チーフハピネスオフィサー))

新卒でNECに入社後、人材育成・研修業務に従事。

日本マイクロソフトにて、シニアソリューションスペシャリストとして従事後、JBSにて社員が働きやすい環境づくりを推進、「2017年働き方改革成功企業ランキング」初登場22位の原動力となる。

2020年5月から現職。ITを活用した自社、他社の社員の幸せになる働き方改善業務に従事。1990年代前半から心地よい働き方で成果を出すことを目指し、「ワーケーション」や「パラレルキャリア」を実践。一般社団法人 ITビジネスコミュニケーション協会理事。

「パラレルキャリアとワーケーション」                              

 椎野氏からは、企業人としてどのようにワーケーションを実践してきたのかなどご自身の経験をもとにご講義いただきました。
 初めに、受講者に対して、仕事やワーケーション等に対する考え方のアンケートを取り、その内容を踏まえながら、ご自身のこれまでの経験や考え方を話されました。
 また、椎野氏が実践したワーケーションの事例を「休暇型」や「地域課題解決型」等のように分類して紹介いただき、訪れた地域での交流や楽しみ方など、それぞれのワーケーション実践のコツについて話されました。そして、受け入れる際のポイントも話され、特にワーケーションでリピートしてもらうためには、その土地に行かないとできないことや魅力的な人との交流が重要であると強調されました。

グループワーク&質疑応答 

 グループワークでは、ワーケーション施策のターゲットの明確化やハード面よりソフト面の整備充実、地元のコンシェルジュ育成が重要であると意見がありました。
 質疑応答では、講義を通して受講者からの質問に対し、講師陣から丁寧に回答いただき、ワーケーション施策の具体的なポイントが学べ、講義の内容への理解がさらに深まりました。

質疑応答の様子


全体の様子


セミナーを終えて

 これまでは、自治体がワーケーション施策を実施するうえで、受入施設などのハード面整備が重要であると考えていました。今回のセミナーを受講して、その地域や地域住民の特性を磨いて地域の個性を活かすこと、地元のコンシェルジュ育成や働きやすい環境整備などのソフト面が大事であると気づきました。

 また、働く環境が変化していく中、自治体がワーケーションを導入するために受け入れる立場として、公務員の私達も実践してみることが重要であると感じました。


以上、終了レポートでした!

スケジュール

7月9日(金)

13:15~13:30

開講式

13:30~14:30

講義         講師:箕浦 龍一 氏

14:30~15:10

事例発表Ⅰ      講師:庄司 透 氏

15:10~15:20

休憩

15:20~16:00

事例発表Ⅱ      講師:椎野 磨美 氏

16:00~17:05

グループワーク&質疑応答

17:05~17:15

閉講式・写真撮影

※セミナー終了後、オンライン相談会を実施(希望者のみ)

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp