【終了レポート】2019年度第6回新たな知と方法を生む土日集中セミナー 「農福連携による就労支援 ~暮らしと生きがいが繋がる地域づくり~」

セミナー・研修 募集終了 終了レポート

2019年05月30日

2019年度第6回新たな知と方法を生む土日集中セミナー「農福連携による就労支援 ~暮らしと生きがいが繋がる地域づくり~」

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 第6回土日集中セミナー「農福連携による就労支援 ~暮らしと生きがいが繋がる地域づくり~」を、地域活性化センターで8月24日(土)~25日(日)の二日間で開催しました。

講義の様子

「農福連携の意義とその先について」

IMG_3441.JPG田氏からは、「農福連携」の定義とともに、障害者を取り巻く社会環境について学びました。全国におられる障害者とそのご家族の人数を考えると、身近な存在であるはずですが、そう感じられないのは障害者が社会に出られる環境が十分に整っていないからだという問題を提起されました。

 こうした状況の中、担い手が減少する「農業」を障害者が活躍する場所となるように取り組んでおられることを学びました。この取り組みでは、障害者の作業は特性に応じて様々で、ルーティーンワークだけではなく選別作業や運転等多様な業務を担っておられるという事も学びました。

「住み継がれる元気な大潟村」

IMG_3441.JPG田氏からは、大潟村社会福祉協議会での取り組みをご紹介いただきました。福祉マップを作製し住民の課題把握を行ったり、複数の課題を抱える世帯に対し総合相談窓口で相談を受ける体制を構築してこられました。また、地域に多数あった空き地を、地域で孤立する高齢者や障害者に農業を通して活用してもらう等の取り組みもご紹介いただき、農福連携が地域課題の解決に繋がっていることを学びました。今後も地域での助け合い体制の構築を促進していかれるそうです。

「農福連携による就労支援」

IMG_3466.JPG中氏からは、社会福祉法人佛子園・日本海倶楽部の活動について紹介していただきました。時代と地域のニーズを読み取り「私達に求められていること」を日々考え活動しておられます。その中で、地ビールの開発やレストラン経営、6次産業化等、多岐に渡り農福連携を推進しておられます。農福連携を通して、地元農産物のPRや観光振興等、多様な分野で地域活性化に繋がっているのだと学びました。

「農林水産省における農福連携の推進」

IMG_3476.JPG所氏からは、国の基本施策において農福連携が福祉という観点のみならず農林水産業の活性化という観点からも取り組まれていることを学びました。また、交付金による支援内容や、農福連携が障害者と農業者の双方にとってメリットとなっている現状を実例とともに学びました。

                    

「厚生労働省における農福連携の推進に向けた取組」

IMG_3466.JPG井氏からは、障害者の雇用環境について説明していただくと共に農福連携が一つのきかっけとなり、多様性が認められるまちづくりを推進していくことの重要性を説明していただきました。「農福連携」は、障害者や高齢者等多様な人々がまちづくりに参画出来るキーワードであるこを学びました

                              

                      

「多様な人材が社会を支える!」

IMG_3476.JPGネルディスカッションでは、農福連携の現状・展望と推進していく上でのポイントを伺いました。「農福連携」はまだ社会に十分浸透しているとは言えませんが、多様な人材が社会を支えていく可能性を持った取り組みであるので、是非多く人に知っていただくことが重要であると伺いました。またその上で、地域社会との連携も重要であると学びました。グループワークでは、「セミナーを通しての学び・気づき」、「実現したい農福連携」と「そのために必要となる行動・課題対策」について、グループごとに考えていきました。最後は全体でグループごとに話し合った内容を共有し、有意義な情報交換の場となりました。

セミナーを終えて

 今回のセミナーでは、農福連携は障害者や高齢者等多様な人財が地域社会を支える可能性を持っているものだと、多くの事例から学びました。また農福連携は今後、観光、商業、スポーツ等、連携の範囲が広がっていくと思います。今回のセミナーを通して、参加された皆様にはそれぞれのお立場から出来る取り組みについて更に考えを深めていただく機会になったのではないかと感じています。

以上、終了レポートでした!

今後も面白いセミナーが目白押しですので、是非ご参加ください!!

講演者紹介 

濱田 健司 氏【(一社)JA共済総合研究所 主任研究員/(一社)日本農福連携協会 顧問】

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東京都出身。東京農業大学大学院修了。障がい者・生活困窮者・高齢者等が地域の農林水産業および商業・工業などに従事することで地域が活性化していく農福連携、農福+α 連携の取組について研究。JA共済連からの委託により、JA及び関係団体等への介護ノウハウの提供活動業務等を行っている。また、農林水産省・厚生労働省・都道府県・中間支援団体等での講演、関係機関・関係者等へ助言するなど精力的に活動している。

池田 昌弘 氏【社会福祉法人 大潟村社会福祉協議会 社会福祉士】

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大潟村社会福祉協議会は平成30年度、障がい者らの就労に向けた農場「農福連携ファーム」を整備。社協と農家で「農福連携ファーム実行委員会」を立ち上げ、農協や秋田県立大学のアドバイスを受けながら約50アールの畑でカボチャを栽培。大潟村では農福連携ファームが地域コミュニティの拠点となり、農家や障がい者、高齢者、農協、福祉施設など様々な人や団体がプレーヤーとして関わっていく仕組みを構築。

竹中 誠 氏【社会福祉法人 佛子園 理事 日本海倶楽部 施設長 】

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石川県の能登半島北部に位置する能登町において、日本海倶楽部は障がい者の就労支援を中心とした障害福祉サービスを行っている。地ビール製造、レストラン、牧場などを運営し、障がい者の活躍の場を創りだしている。農福連携の域を超えた農福商工連携によって地域特産品を開発、農家所得を向上、観光拠点を創出、雇用機会を創出など、地域活性化に貢献。

富所 康広 氏【農林水産省 農村振興局 農村政策部 都市農村交流課 課長補佐 】

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三重県出身。平成6年三重県庁に入庁。農業改良普及センターで茶の生産振興。農業研究所で土着天敵を活用した茶の害虫防除技術の開発に従事。三重県農業大学校では農業教育に従事する一方で農福連携カリキュラムの編成に携わる。その後、農林水産部担い手支援課で「農福連携全国サミットinみえ」の開催、農福連携全国都道府県ネットワークの設立に大きく関わった。

石井 悠久 氏【厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 課長補佐】

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東京都出身。平成17年厚生労働省に入省。障害者雇用率の引上げや障害者雇用促進法改正にむけた総合調整など障がい者の雇用対策を担当。平成28年4月から山梨県北杜市役所に出向し、地方創生担当として人口減少対策にも貢献した。平成30年度より現職。

スケジュール(予定)

※内容が変更となる場合もあります。変更があった際は、このページ等でお知らせいたします。

1日目(8月24日)

12:30~13:00 受付
13:00~13:10 開講式
13:10~14:30

基調講義  「農福連携の意義とその先について」

        講師:濱田 健司 氏

14:35~15:25

事例紹介① 「農福連携による生きがいづくり」

        講師:池田 昌弘 氏 

15:25~16:15

事例紹介② 「農福商工連携による地域活性化」

        講師:竹中 誠 氏

16:30~17:20

行政の取組 「農林水産省・厚生労働省における農福連携の推進」 

        講師:富所 康広 氏 / 石井 悠久 氏

17:30~18:20

テーブルトーク

18:20~18:30

1日目のまとめ

18:30~20:00

交流会(会費制)

2日目(8月25日)

09:00~09:10

1日目の振り返り

09:10~11:35

グループワーク

11:35~11:45

2日目のまとめ

11:45~12:00

閉講式

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp