【終了レポート】2019年度第1回土日集中セミナー「観光から『感幸』へのパラダイムシフト~外貨獲得と地域経営の取組から学ぶ~」

セミナー・研修 終了レポート

2019年07月09日

 2019年度第1回土日集中セミナー  
「観光から『感幸』へのパラダイムシフト~外貨獲得と地域経営の取組から学ぶ~」

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 2019年度 新たな知と方法を生む土日集中セミナー「観光から「感幸」へのパラダイムシフト ~外貨獲得と地域経営の取組から学ぶ~」を5月18日(土)・19日(日)に地域活性化センターで開催しました。今回は、全国各地から自治体職員など26名のご参加をいただきました。

講義Ⅰ「選ばれ続ける地域とは〜観光から『感幸』へ〜」
講師:山田 桂一郎 氏(JTIC.SWISS 代表)

「自治体だからこそ「稼ぐ力」を!」

IMG_8920.JPGJ TIC.SWISS代表山田氏からは、これからの自治体には「地域の総合力」と「民の知見」を引き出し、結果を出すことにより「稼ぐ力」をつけることが大切であることを学びました。 また、今後、国や自治体で策定が進められる第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の重要業績評価指標(KPI)についても言及され、多くの自治体で目標設定値にされている「観光客入込数」が適当かどうか、目標設定の順序についても深く考えて設定しているか、再度見直してみる必要性について指摘がありました。また、地域経営における数字の重要性の指摘があり、誰もが納得できる数値を示すことの大切さを学びました。これからは、行政から住民への一方通行の地域政策ではなく、地区毎の目標設定に基づき実行に移すことができるようなきめ細かな地域政策が求められます。地域の主役である住民が行動していくためには、地域の強みや弱みを見える化し、住民が現状を把握できるような工夫が必要となります。講演の中で、島根県邑南町の事例を挙げながら、地区別の具体的な目標設定や成果を住民と確かめながら戦略を立てていく手法について説明がありました。 

義全体を通して、観光ツーリズム推進の真の目的である事業者と地域の「自立&持続」について多くの自治体で陥りがちな観光施策などを通して説明があり、多くの参加者にとって深い学びとなりました。

講義Ⅱ-Ⅰ「気仙沼市がなぜDMOに取り組んでいるのか?」
講師 小松 志大 氏(気仙沼市役所 産業再生戦略課)

「地域単位でのマーケティングを!」

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松氏からは、気仙沼市での取り組みをご紹介いただき、人口減少に伴う地域経済縮小への対応には、地域でタッグを組んでの顧客獲得・拡販が必要であり、地域単位でマーケティングに取り組み、意思決定する仕組みが必要であることを学びました。

 

 

講義Ⅱ-Ⅱ「気仙沼DMO「つながり」人口の最大化を狙った地域経営戦略(スイスツェルマット型のDMO体制構築)」
講師 森 成人 氏(一般社団法人気仙沼地域戦略 理事)

「役割の明確化を!」

IMG_9008.JPG氏からは、地域としての明確な観光戦略がないため、観光における各団体の業務の役割分担が不明確でモレ、ダブリが存在し、多くの地域で非効率な運営がなされている状況が指摘され、それぞれの役割を明確にすることの重要性を学びました。また、マーケティングを継続的に進化させ、戦略を立案することの重要性についても、学びました。

 

講義Ⅲ-1  「高山市の挑戦 ~地方都市における海外戦略の取り組み~」
講師     丸山 永二 氏(高山市役所 前・海外戦略部長)

行政の決意&民間の底力!

高山.png 山市役所の丸山氏からは、高山市の観光を取り巻く状況や海外戦略の推進体制についてご紹介いただき、戦略的に観光に取り組む重要性や民間事業者と連携し、最前線に立ち一緒に動く大切さを学びました。さらに、広域的な取り組みの必要性、他の自治体との関係には競争かつ「共創」の姿勢が重要であることを学びました。

講義Ⅲ-2  「地域の宝が世界を魅了する これからの地方の可能性」
講師:    山田 拓 氏(株式会社美ら地球 代表取締役)

「住んでよし、訪れてよし」

美ら海.png 式会社美ら地球代表取締役山田氏からは、現在の取り組みや課題などについてご紹介いただき、利用者目線に立った事業の在り方や行政と一緒になって観光に取り組む重要性を学びました。また、他の地域をまねをするのではなく、よいところを「活かす」視点が地域のビジョンを考えるうえで重要であることを学びました。

 

パネルディスカッション&グループワーク

逆算で情報収集を!

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日集中セミナー2日目は5名の講師によるパネルディスカッションとグループワークが行われました。前半のパネルディスカッションでは、「行政と民間の役割」や「人材育成」についてそれぞれの講師の皆様よりご意見をいただきました。人や役割を分担すること、現状を正確に把握し認識を統一して、戦略的に事業を実施することの重要性と、そのために必要なデータを収集し、活かすことの大切さを学びました。

後のグループワークでは、事前に出された課題に対して講義を受ける前後でどう変わったか、それぞれのグループで講師を交えながら意見交換をし、講師からは経験を踏まえた的確な意見やアドバイスがされ、有意義な情報交換の場となりました。

セミナーを終えて

 今回のセミナーでは国や自治体で策定が進められる第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の重要業績評価指標(KPI)の設定について、地域単位でマーケティングに取り組み、意思決定する仕組みが必要であることを学びました。本セミナーが参加された皆様にとって、地域経営が継続するしくみをつくるうえでの一助になることを期待しています。

以上、終了レポートでした!

今後も面白いセミナーが目白押しですので、是非ご参加ください!!

講演者紹介 

山田 桂一郎 氏(JTIC.SWISS代表)

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 1965年三重県生まれ、1987年からアルプス観光の玄関口、スイスツェルマット観光局で日本人対応インフォメーション、セールスプロモーションを担当。92年JTIC.SWISS設立、日本人向けに旅の相談や情報の発信を行う。「世界のトップレベルの観光ノウハウを各地に広めるカリスマ」として、内閣府・国土交通省(観光庁)・農林水産省から認定。これまでのヨーロッパを中心とした環境保全(環境保全活動プログラム、環境教育、環境アセスメント等。また、海外在住者として初めて日本の環境省に登録された環境カウンセラーでもある)と世界各地におけるプログラム・ツアーの実施と観光・集客交流の事業化、マーケティングの経験を活かし、地域・観光振興(まちおこし・自立型地域経営、サービス向上、人材育成や中心市街地・商店街活性化等)に関する講演やセミナーを全国で開催。 また、地域振興・再生のコンサルタントとして様々な事業化を進め、多方面で積極的に活動を展開し、多くの実質的な成果と結果を残す。内閣官房地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザー、内閣官房クールジャパン地域プロデューサー、北海道大学客員教授、和歌山大学客員教授等。著書「観光立国の正体」(新潮新書)

山田 拓 氏(株式会社美ら地球CEO)

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 奈良県生まれ。(株)美ら地球CEO、総務省地域力創造アドバイザー、内閣官房クールジャパン・地域プロデューサー。イナカを巡る外国人向けプラットフォームSATOYAMA EXPERIENCEを運営。外資系コンサルティング会社を退職し、足かけ2年にわたる世界のツーリズムを学ぶ旅を経て、飛騨古川に移住。里山や民家などの現存する地域資源を活かしたツーリズムを主とした数々の地域再生ソリューションをプロデュース。平成24年地域づくり総務大臣表彰にて個人表彰を受けるほか、環境大臣賞(「五感で感じるまち大賞」、平成23年)、グッドデザイン賞(平成25年)、エコツーリズム大賞優秀賞(平成26年)など、多方面からの評価を受ける。近年は、地方部各地でのツーリズム・ビジネスの立上げ支援や人材育成プロジェクトに従事する。著書「外国人が熱狂するクールな田舎の作り方」(新潮新書)

丸山 永二 氏(高山市海外戦略部長)

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 1960年高山市生まれ。1984年高山市役所に入庁。環境課長、観光課長等を経て、2013年市民活動部長、2016年会計管理者を歴任し、2017年4月から現職である海外戦略部長を務める。高山市では2011年4月に、複数の課で担当していたインバウンド・国際交流・販売促進を一つに統合し、海外戦略室(現:海外戦略部)が発足した。東京から4時間半、京都市から約3時間半の距離にありながら、人口の5倍にもなる年間50万人超の外国人観光客が訪れている。パンフレットや街巡りのマップ、ウェブサイトの多言語化に取り組み、現在、紙媒体は10言語、ウェブサイトは11言語まで対応している。

森 成人 氏(一般社団法人気仙沼地域戦略理事/気仙沼市復興アドバイザー)

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 1999年株式会社リクルートライフスタイルに入社。ケイコとマナブ事業部、ポンパレ推進部を経て、2013年4月より経済同友会に出向し被災地気仙沼市へ。被災地の復興のため現地の仮設住宅に住みながら、地元人材育成や観光振興、6次産業化など地域活性に携わる。2016年にはスイスツェルマットへDMO視察を行い、同年より日本の自治体でのDMO構築を検討し始める。2017年4月からはじゃらんリサーチセンター研究員と同時に、気仙沼に設立するDMO法人(一社)気仙沼地域戦略 の理事、さらには気仙沼市復興アドバイザーも勤める。

小松 志大 氏(気仙沼市産業部産業再生戦略課主幹)

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 1976年気仙沼市生まれ。札幌大学を卒業後、富士通グループ会社で調達・物流に従事。富士通総研でITコンサルタントとして従事後、2013年から公益社団法人経済同友会の「東北未来創造イニシアティブ」に参画し、気仙沼市を拠点に、(1)地域リーダーの育成、(2)地域資源発の新規事業創出、(3)地域経営の仕組みづくり(DMO)に取り組む。2017年気仙沼市役所に入庁。中小企業診断士(経済産業大臣登録)

スケジュール

※内容が変更となる場合もあります。変更があった際は、このページ等でお知らせいたします。

1日目(5月18日)



12:15~12:45 受付
12:45~12:55 開講式
12:55~14:25

講義Ⅰ   講師:山田 桂一郎 氏

14:25~14:35

質疑応答

14:45~15:15

講義Ⅱ-Ⅰ 講師:小松 志大 氏

15:15~16:15

講義Ⅱ-Ⅱ 講師:森 成人 氏

16:15~16:25

質疑応答

16:35~17:05

講義Ⅲ-Ⅰ 講師:丸山 永二 氏

17:05~18:05

講義Ⅲ-Ⅱ 講師:山田 拓 氏

18:05~18:15

質疑応答

18:15~18:30 1日目まとめ
19:00~21:00 交流会(会費制)

2日目(5月19日)



9:00~9:10

前日の振り返り

9:10~10:20

パネルディスカッション 山田(桂)氏 × 山田(拓)氏 × 丸山氏 × 森氏 × 小松氏

10:35~11:55

ワークショップ

11:55~12:05

総括

12:05~12:15

閉講式

連絡先

クリエイティブ事業室
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp