【終了レポート】令和2年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「未来を拓くローカルSDGs〜環境・経済・社会から考える地域の可能性〜」

セミナー・研修 終了レポート

2020年09月09日

HPサムネイル.png

 令和2年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「未来を拓くローカルSDGs ~環境・経済・社会から考える地域の可能性~」を12月12日(土)に地域活性化センターで開催しました。全国各地から自治体職員など22名のご参加をいただきました。

講師紹介

岡野 隆宏 氏(環境省自然環境局自然環境整備課 温泉地保護利用推進室 室長)

HP用写真(岡野様).jpg

 1997年環境庁(現環境省)入庁。主に国立公園、世界自然遺産の保全管理を担当。阿蘇くじゅう国立公園、西表国立公園で現地勤務を経験。2010年10月から2014年3月まで鹿児島大学特任准教授。2014年12月から「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトに携わり、自然の恵みの保全と活用による地域づくりに取り組んでいる。2018年8月から環境省大臣官房環境計画課企画調査室室長を務める。2020年7月から現職。

吉岡 慎一 氏(一般社団法人 地域循環共生社会連携協会(RCESPA)国内事業部 主任)

吉岡さん写真(HP使用).png

 1984年4月東京都立大学大学院博士課程(地理学専攻)から株式会社芙蓉情報センター総合研究所(現みずほ情報総研株式会社)に入社。在職中は、地域産業・地場産業、マーケティング、観光開発、特産品開発等の領域を中心に、国・地方公共団体の計画・戦略等の策定に関わる。
 2013年6月うきは市副市長に就任。地方創生関連事業を核に、うきは市のブランド形成、地域経済活性化に係る施策を中心に展開。2017年4月から現職。
 地域プランナー(全国商工会連合会)、観光振興アドバイザー、((社)日本観光振興協会)、地域活性化アドバイザー((財)地域活性化センター)等のアドバイザーや、各種委員会委員としてとして全国の地域の活性化に係る活動に関わっている。

講義Ⅰ 「ローカルSDGsのデザイン~地域循環共生圏の創造」

講師:岡野 隆宏 氏(環境省自然環境局自然環境整備課 温泉地保護利用推進室 室長)

 環境省の岡野氏より、SDGs(持続可能な開発目標)の概要や地方自治体の業務との関わりなどについて、事例を交えながらご講義いただきました。

 SDGsは平成27年9月に国連サミットで採択された国際目標であり、地球環境や人権が危機的状況にある中で、将来世代のニーズを損なわずに現世代のニーズを満たす開発を行うための目標です。目指すべき世界像に向け、国や地域、民間企業、個人など全ての主体が環境保全、経済成長、社会的包摂に統合的に取り組むことが求められます。

 また、地域でのSDGsの実践(ローカルSDGs)の一つのアプローチとして、「地域循環共生圏」の考え方が第五次環境基本計画(平成30年4月)において提唱されました。これは、それぞれの地域が地域資源を活かしながら自立・分散型の社会を形成し、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うものです。講義では、これまで海外の化石燃料に頼っていたエネルギーを地域の再生可能エネルギーに代替することで、地域内で経済を循環させ地域に新たな雇用を創出した事例などが紹介されました。

 地域循環共生圏を創造するプロセス、すなわち地域の目指す姿を明確にし、地域資源を捉え直し地域課題を把握しながら、様々な主体が連携・役割分担して事業を展開することを通じて、ローカルSDGsのビジネスを次々と生むことが期待されます。したがって、地域のあらゆる分野を管轄する地方自治体には、金融機関や中小企業をはじめとする地域の企業や個人などと協働し、各々が行動を変革するためのプラットフォームを構築する役割が求められます。

講義Ⅱ 「未来を拓くローカルSDGs ~資源を守り、活かす地域へ~」

講師:吉岡 慎一 氏(一般社団法人地域循環共生社会連携協会(RCESPA) 国内事業部 主任)

 地域循環共生圏の創造に係る取組事例についてご講義をいただきました。

地域循環共生圏の基盤となる「地域資源」は、地域に内在する全てのものです。「この地域は何もない」ということはあり得ず、風景・景観や農水産物、製造品など有形のものも、気候や伝統、技術など無形のものも、あらゆる地域資源を脱炭素化や地域経済の活性化などに活用することができます。

 講義では、消極的に捉えられがちな気候特性(豪雪)を観光資源化したり、豊富な森林資源を木質バイオマスとしてエネルギー自給や災害時の給電体制の強化に活かしたりする事例などが紹介されました。いずれの事例も地域資源が持続可能な形で活用され、再生可能エネルギーの普及や地域内経済循環の拡大、新たな産業と雇用の創出などの複合的な効果がもたらされており、今後受講者が自らの地域において地域資源の活用、ひいては地域循環共生圏の創造に取り組む上でのヒントを得ることができました。

グループワーク

 自らの地域における理想の未来像を描き、地域資源や既存の異業種間連携を整理した上で、地域資源をどのように活かしローカルSDGsに取り組めるかを考え、グループ内で発表しました。受講者は自らの地域における実践を検討することで、講義で得た知識についてさらに理解を深めることができました。

セミナーを終えて

 SDGsはすべての主体が取り組まなければならない世界の約束であり、環境・経済・社会の調和を図りながら地域の理想を実現する手段として活用すべきものであることを学びました。

 現代は、環境・経済・社会に対する向き合い方を一人ひとりが変革し新たな価値観を形成する過渡期にあります。そのような中で、受講生各々が「行動したい」「自分に何ができるだろう」と背中を押される機会となりました。

(参考)当日スケジュール

12:30~13:00

受付

13:00~13:10

開会挨拶

13:10~13:20

アイスブレイク

13:20~14:20

講義Ⅰ    講師:岡野 隆宏 氏

14:20~14:35

休憩等

14:35~15:25

講義Ⅱ    講師:吉岡 慎一 氏

15:25~15:35

休憩等

15:35~15:50

グループワーク①(課題・質疑の共有等)    

15:50~16:20

トークセッション

16:2016:30

休憩

16:3017:30

グループワーク②(個人ワーク+グループでの協議)

17:30~17:40

講評  

17:40~17:50

講師からの情報提供

17:5018:00

閉講式

18:00~

講師とのオンライン相談会 ※希望者

連絡先

企画グループ
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:creative@jcrd.jp