【終了レポート】令和4年度【スタンダード型】新たな知と方法を生む地方創生セミナー ヘルステックによる健康まちづくり ~健康増進に向けた新たな取組~
セミナー・研修 募集終了
2023年01月23日
令和4年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「ヘルステックによる健康まちづくり ~健康増進に向けた新たな取組~」をリアルとオンラインを併用して開催しました。
全国各地から自治体職員など29名の方々にご参加いただきました。
講義
株式会社ヘルステック研究所 代表取締役 阿部 達也 氏

1988年 京都大学工学部衛生工学科卒業後、株式会社リクルート入社。
2004年 株式会社日本プロバスケットボールリーグを設立し11年にわたり専務として経営に携わる。
その後、2016年 京大データヘルス研究会事務局長、2017年 京大発ベンチャーの株式会社へルステック研究所を設立し代表取締役に就 任。一般社団法人PHR普及推進協議会の理事も務め、産官学医と合意形成しPHRの項目、仕様の標準化をすすめている。
ヘルステック研究所は、2019年京都大学医学研究科と共同研究で開発した生涯PHRアプリ『健康日記』をリリースした。また大学での健康管理のDX化からスタートし市民向けには京都市とのPHRの実装にむけた「Kステーション」モデルの開発と65万人の医療・レセプトDBの分析をすすめている。
スポーツ分野では、大阪エヴェッサGM、ブラインドサッカー日本女子代表部長を務め、経済産業省・スポーツ庁の有識者会議等にも参加。
「生涯型パーソナルヘルスレコード実現に向けた取り組み」
阿部氏からは、株式会社ヘルステック研究所(以下、「研究所」という。)を中心に産学官連携で取り組んでいる生涯型PHR(Personal Health Record)を活用した健康まちづくりについてご講演いただきました。
生涯型PHRとは、個人が自由にアクセスできる生涯型電子カルテのことで、研究所では個人の健康に関する情報を集約・整備し、ウェルビーイングや健康増進を目指した取組を実施しています。「日本は健康大国だが、健康データを活かせていない」という現状から、生涯型PHRの普及に向けた取組をお話しいただきました。また、「個人が利用するからこそ、産官学で支えあう必要があり、安心安全で効率的な利活用が重要だ」と産官学など他分野で連携する必要性についてもお話しいただきました。
事例紹介①
青森市立浪岡病院事務局 主幹 田澤 賢 氏

1995年、青森市役所に入庁し、福祉部問・選挙管理委員会事務局・会計課等に所属、2013年には現在の青森市立浪岡病院事務局に配属。
この間、主に、浪岡病院の経営改革や2021年5月に開院した新浪岡病院の建替事業に携わる一方で、青森市と株式会社フィリップス・ジャパンとの連携協定に基づく「ヘルステックを核とした健康まちづくりプロジェクト」に、企画段階から参画する。2020年からは、市民の健康寿命延伸を目的とした「ヘルステック・モビリティを活用した予防サービス」と高齢者が一人でも安心して暮らせる「IoTを活用したみまもりサービス」を立ち上げ、現在も同事務局の地域医療連携チームのチームリーダーとして中心的にプロジェクトを推進している。
「ヘルステックによる健康まちづくり~健康増進に向けた新たな取組~」
田澤氏からは、青森市と株式会社フィリップス・ジャパンが連携し、青森市の浪岡地区をモデルに取り組んでいる「ヘルステックを核とした健康まちづくりプロジェクト」についてご講演いただきました。
プロジェクトでは、あおもりヘルステックセンターを設立し「モビリティを活用した予防サービス」と「IoTを活用した見守りサービス」の実証実験を行いサービスとして提供しています。これらのサービスを実装することで、高齢者が住み慣れた家・地域で自立した生活を長く継続する、地域の健康長寿に貢献したいとお話しされました。
事例紹介②
静岡県浜松市健康福祉部健康増進課 ウエルネス推進担当課長 原川 知己 氏

1991年、浜松市役所入庁。公民館、交通政策課、行政経営課、国際課等を経て、本年4月、企画調整部企画課から健康福祉部健康増進課へ異動、ウエルネス推進担当課長に就任。
浜松市は、厚生労働科学研究班による「大都市別の健康寿命」で、女性は4期連続第1位、男性は3期連続第1位となっている。こうした浜松市の強みを一層磨き上げ、市民が病気を未然に予防し、いつまでも健康で幸せに暮らすことができる都市「予防・健幸都市」を実現するための官民連携による「浜松ウエルネスプロジェクト」の更なる推進に取り組んでいる。
「浜松ウエルネスプロジェクト-「予防・健康都市/Wellness City」の実現に向けて-」
原川氏からは、健康先進地である浜松市の更なる健康増進に向けた官民連携プロジェクト「浜松ウエルネスプロジェクト」についてご講演いただきました。
浜松市は、「市民が病気を未然に予防し、いつまでも健康で幸せに暮らすことができる都市(=予防・健幸都市)」を実現するため、浜松ウエルネス推進協議会と浜松ウエルネス・ラボの2つの官民連携プラットフォームを核に実施している事業についてお話いただきました。
ヘルステック分野では、様々な企業の実証実験に対し市が支援し、市民は実証実験に参加することでサービスや製品を利用でき、企業はデータ等を収集し、事業化を推進するといった官民双方がWin-Winとなる関係づくりについてお話いただきました。
グループワーク
グループワークでは、「定期健診に来てくれない人や、来てくれるがマンネリ化している方にベジメータ(野菜摂取状況を測定できる機器)などの最新機器を活用することで、定期健診の受診率を上げられるのではないか」など、講義の内容を参考にヘルステックを活用した健康まちづくりについての意見がありました。
セミナーを終えて
今回のセミナーを受講するまでは、「ヘルステック」という言葉に難しいイメージを持っていましたが、子どもからお年寄りまで使用できるようなサービスや製品を知り、ヘルステックは身近で便利なものなのだと感じました。
また、人口減少や医療費適正化の問題をはじめ、ウェルビーイングや健康増進に対しヘルステックの推進は不可欠であると学びました。
スケジュール
6月10日(金)
13:30~13:40 |
開講式 |
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13:40~14:40 |
講義Ⅰ:ヘルステックについて( 阿部 氏 ) |
14:50~15:30 |
講義Ⅱ:ヘルステックを核にしたまちづくり( 田澤 氏 ) |
15:35~16:15 |
講義Ⅲ:「予防・健幸都市」を目指したウエルネスプロジェクト( 原川 氏 ) |
16:20~17:20 |
個人・グループワーク、質疑応答 |
17:20~17:30 |
閉講式 |
連絡先
セミナー統括課
TEL:03-5202-6134
FAX:03-5202-0755
E-mail:seminar(at)jcrd.jp ※メールアドレスの(at)は@に変更ください。