【終了レポート】令和4年度【スタンダード型】新たな知と方法を生む地方創生セミナー 地域が主役に!デジタル田園都市国家構想で変わるまちの未来

セミナー・研修 募集終了

2023年01月23日

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令和4年度新たな知と方法を生む地方創生セミナー「地域が主役に!デジタル田園都市国家構想で変わるまちの未来」を令和4年7月29日(金)にリアルとオンラインを併用して開催しました。

全国各地から自治体職員など39名のご参加をいただきました。

講義Ⅰ

内閣審議官(内閣府地方創生推進事務局/内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局) 黒田 昌義 氏

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1991(平成3 )年旧建設省入省。

OECD(経済協力開発機構、パリ)、奈良県土木部都市計画課長、国土交通省都市・地域整備局、大臣官房、住宅局、道路局、内閣官房副長官秘書官、名古屋市住宅都市局長、内閣府防災担当総括参事官、国土交通省住宅局審議官等を経て、2021(令和3)年7月より現職。一橋大学国際・公共政策大学院客員教授。

「『デジタル田園都市国家構想』とこれからの地方創生

 黒田氏からは、地方創生の基本的な考え方や「デジタル田園都市国家構想」の概要、これからの地方創生についてご講義いただきました。

 デジタル田園都市国家構想の基本方針について、「デジタル基盤の整備」「デジタル人材の育成・確保」「誰一人取り残されないための取組」「デジタルの力を活用した地方の社会課題解決」といった4つのポイントを中心にご説明いただきました。先進自治体の取組事例についてもご紹介いただき、デジタル田園都市国家構想が目指す未来像について理解を深めました。

講義Ⅱ

日本総合研究所/内閣府地方創生推進アドバイザー/山水郷ディレクター 井上 岳一 氏

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1969年神奈川県藤沢市生まれ。林野庁、Cassina IXCを経て2003年から日本総合研究所。山水の恵みと人の知恵・技術を生かした多様で持続可能な地域社会をつくることをミッションに研究・実践活動に従事。

著書に『日本列島回復論』(新朝選書)、共著書に『MaaS』『Beyond MaaS』(共に日経BP)等。内閣府規制改革推進会議専門委員。南相馬市復興アドバイザー。観音寺市政策アドバイザー。東京藝術大学非常勤講師。

デジタル化の課題と目指すべき方向性

 井上氏からは、そもそもデジタル化とは何かということやこれからデジタル化を考える上で注力すべきことについてご講義いただきました。

 今必要とされているデジタル化は、情報通信の変革による価値創出であり、中央主導で時間がかかるハード面のデジタル化に注力するよりも、今すぐにできる「ソフトでヒューマンなデジタル化」を地域主導で進めていくことで地域を蘇らせることができると話されました。

 また、全国各地で若者たちが情報通信のイノベーションによって地域を元気にしている事例をご紹介いただきました。それらの事例から、共通の目的を達成するために集合的主体で活動する「ローカルコレクティブ」を地域で育てることや人の交流・文化が生まれる場をつくることが必要であると学びました。

事例紹介

岡山県英田郡西粟倉村 地方創生特任参事 上山 隆浩 

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2009年より西粟倉村産業観光課長として「百年の森林構想」「環境モデル都市構想」を掲げ、西粟倉村内の地域資源を活かしながら地域活性化に取り組む。また、新たな地域経営モデルの構築に向けローカルベンチャー(地域を舞台として価値創造に挑戦する事業体)の発掘と育成に力を注ぐ。

2017年に地方創生推進班の設立とともに地方創生特任参事に就任、班による「生きるを楽しむ」というキャッチコピーの作成や「西粟倉むらまるごと研究所」をはじめとするシンボルプロジェクトの推進に取り組んでいる。2019年度SDGs未来都市(モデル事業都市)、2022年「脱炭素先行地域」に選定された。

西粟倉村が目指すデジタルの活用について

 上山氏からは、森林産業のデジタル化や関係人口アプリ『アプリ村民表』、行政ポイント付与サービス『あわポ』の導入といった西粟倉村のデジタルネットワーク化の現状に加え、現在進めている取組におけるデジタルの可能性や今後の展望についてご講義いただきました。

 また、デジタル人材の確保という観点からは、データ連携基盤の管理・運営などを行う「村まるごと研究所」の取組についてご紹介いただきました。村まるごと研究所における地域活性化起業人や地域おこし協力隊制度を活用したITリテラシーを持つ人材登用についてお話しいただき、役場職員以外の人材確保の必要性やデータ連携推進の体制づくりについて学びました。

グループワーク

 グループワークでは、参加者それぞれの所属の取組や講義を受けて考えたこと、クロストークで聞いてみたいこと等について情報・意見交換を行いました。

 「発信力のある若者やスキルを持った人材の確保」「若者がつながる場づくり」「デジタルを使ったコミュニケーション」などソフト面の整備充実が重要であるという意見が多く出され、また、地域におけるデジタル活用の機運醸成やデジタル化へ抵抗がある方々への対応など今後行政に求められることについて話し合いました。

クロストーク(質疑応答含む) 黒田 昌義 氏×井上 岳一 氏

 クロストークでは、グループワークで出てきた感想や問題意識を基に、黒田氏と井上氏からデジタル田園都市国家構想の実現に向けたアドバイスをいただきました。

 黒田氏からは、「自治体側から地域の若い人たちの取組にアクセスし、自治体ならではの情報発信やサポートをしていただきたい」とお話しいただきました。また、井上氏からは、「デジタルの時代は正解がない。国が正解を持っているとは考えず、自分たちでやってみて学ぶしかない。」とお話しいただきました。

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セミナーを終えて

 「デジタル田園都市国家構想」について、これまではハード面の整備をどう進めていくかということに重きを置いて考えていましたが、今回セミナーを受講し、まずは地域の課題や強みを把握した上で、多様な人材をつなぎ合わせる場づくりなどソフト面の整備充実に向けた取り組みを進めていくことが大事であると感じました。

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スケジュール

7月29日(金)

13:00~13:10

開講式

13:10~14:05

講義Ⅰ:デジタル田園都市国家構想とこれからの地方創生( 黒田 氏 ) 

14:05~15:00

講義Ⅱ:デジタル化の課題と目指すべき方向性( 井上 氏 )

15:00~15:40

講義Ⅲ:西粟倉村が目指すデジタルの活用について( 上山 氏 )

15:40~16:50

グループワーク、クロストーク、全体共有、講師講評、質疑応答

16:50~17:00

閉講式

連絡先

セミナー統括課
TEL:03-5202-6134  FAX:03-5202-0755  E-mail:seminar@jcrd.jp