【終了レポート】令和2年度 地方創生実践塾 in 岐阜県飛騨市

終了レポート

2020年10月12日

令和2年度 地方創生実践塾 in 岐阜県飛騨市
関係人口とともにつくる未来型の地域経営~地域ファンづくりを通じたチームビルディング~

 令和2年9月11日(金)、12日(土)の2日間、未来型の地域経営を実践する岐阜県飛騨市を舞台に、「関係人口とともにつくる未来型の地域経営~地域ファンづくりを通じたチームビルディング~」をテーマとして、令和2年度2回目の地方創生実践塾を開催しました。全国各地の自治体職員など15名のご参加をいただきました。

【9月11日(金)】

 実践塾開始に先立ち、今回の講師である飛騨市長の都竹淳也氏より歓迎のご挨拶をいただきました。

◆講義1「ファンづくりから見出す地域経営 ~飛騨市が関係人口プロフェクトで目指すもの~」

講師:都竹 淳也 氏(飛騨市長)

 飛騨市長の都竹淳也氏から、人口減少先進地である飛騨市の課題解決策についてご講義いただきました。飛騨市では課題解決のポイントは「地域外の人との交流」にあると捉え、楽天グループと連携した飛騨市ファンクラブ事業、地域外の人との「関わりしろ」を増やすための各種プログラム、飛騨市関係案内所「ヒダスケ!」などの事業を展開されています。強みを生かした小さなチャレンジを積み重ねてきたことで、地域のファンが着実に増えているとのことでした。

 市長自らの熱のある講演で、地域に対する熱い思いや、新たな事業に挑戦してゆく覚悟が直に伝わり、多くの受講生にとって印象に残りました。

飛騨市実践塾 講義1.JPG

◆講義2「地域資源を活用したファンづくり」

講師:舩坂 香菜子 氏(未来のコミュニティ研究室長、株式会社ヒダカラ取締役)

 未来のコミュニティ研究室長、株式会社ヒダカラ取締役の舩坂香菜子氏から、関係人口の定義、関係人口を増やす意義、地域のファンづくり実践事例についてご講義いただきました。実践事例では、飛騨みやがわ考古民族館で取り組まれている石棒クラブ、クラウドファンディングを活用した友釣り名人室田さんによる飛騨の鮎ブランド化プロジェクトについて事例紹介がありました。

 その後のまとめの時間では、地域そのものをより豊かにするための手法について「どこの地域にもくすぶっているアツい人、魅力ある隠れたタカラモノがある。それを見つけてプレイヤーを集めチームを作り、トライ&エラーを繰り返しながら走るだけ」というお言葉がありました。今後の地域づくりのヒントとなる講義でした。

◆講義3「種蔵のこれまでとこれから~関係人口の視点から~」

講師:髙木 朗義 氏(飛騨市ふるさと種蔵村副村長、岐阜大学教授)

 飛騨市ふるさと種蔵村副村長、岐阜大学教授の髙木朗義氏から、飛騨市ふるさと種蔵村についてご講義いただきました。飛騨市ふるさと種蔵村とは、飛騨市宮川町種蔵を愛する方で組織する架空の「村(組織)」で、農村の原風景を貴重な観光資源と捉え、それらを後世に引き継ぐために保全活動を行われています。村長、副村長、村役場が存在しますが村民から税金を徴収することはなく、そのかわりに村民になっていただける方にはオリジナル住民票の発行や特産品をプレゼントするなどユニークな仕組みを構築されています。誰もが主体的に協働して、皆が幸せに暮らせる地域社会を創るため、様々な取組みを今後も引き続き実践するという目標は、多くの受講生にとって良い刺激となりました。

◆講義4「飛騨の酒のファンづくり」

講師:渡邉 久憲 氏(有限会社渡辺酒造店代表取締役社長)

 有限会社渡辺酒造店代表取締役社長の渡邉久憲氏から、日本で一番笑顔あふれる蔵の取組みについてご講義いただきました。有限会社渡辺酒造店は、日本酒の消費量激減に伴い一時経営危機に陥りましたが、経営再建への挑戦として「お客様が本当に求めるものを知るために直接の繋がりを持つ」「日本酒を体験としてエンターテイメント化する」という2つの改革を実践しました。「日本酒のワンダーランド」を飛騨の地につくることを目標に、「人との繋がり」を大切にし、商品に製作ストーリーを付与することで日本酒のファンづくりを目指し活動されています。

◆受講生意見交換

 11日に聴講した講義について、良かった点や印象的だった点、気づき等をグループで共有しました。

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◆フィールドワーク 飛騨古川街歩き
  (飛騨古川まつり会館→瀬戸川と白壁土蔵街→渡辺酒造店 酒蔵見学)

 飛騨市の歴史や文化、地場産業について学ぶために現地へ赴きました。渡辺酒造店までは市長自らがご先導なされ、ご自身の経験を踏まえたお話をしてくださいました。

飛騨市実践塾 フィールドワーク1.JPG飛騨市実践塾 フィールドワーク2.JPG

【9月12日(土)】

◆講義5「飛騨の森から生み出す人の関係性と経済循環」

講師:松本 剛 氏(株式会社飛騨の森でクマは踊る代表取締役COO)

 株式会社飛騨の森でクマは踊る代表取締役COOの松本剛氏から、自社の主な活動内容について、活動の重要な拠点である「FabCafe Hida」にてご講演いただきました。飛騨市は面積の93%を森林が占めており、その中でも広葉樹が非常に多いという特性がり、株式会社飛騨の森でクマは踊るでは、これらの広葉樹をどう使うか、どうPRできるかというマネジメントを行い、原材料や家具として世界に販路を拡大されています。また、林業や木材加工の体験、合宿の受入、カフェ事業も行われています。設立時の目標であった3年目での黒字化を達成し、飛騨の豊かな樹木とクリエイターの協働が木材の可能性を広げました。

◆グループワーク

 事前課題のワークシートを元に、関係人口を活用して実践したいことについてグループ内で意見交換を行いました。達成したいミッションや個人目標を設定し、達成の為の方針やマイルストーンについて話し合うことで、第一歩として明日から実践することを各自発表しました。

 この2日間多くのことを学び、たくさんの出会いがありました。都竹市長がおっしゃっていた「心を寄せてくれる方の存在を大事にする」というお言葉を常に頭におきながら、受講生一人一人が自分の町でできることからはじめようという強い意志を持てた実践塾となりました。

飛騨市実践塾 グループワーク.JPG

最後に参加者の方から頂いたお言葉の一部を紹介します

・楽しかった!の一言に尽きます。たくさん学び、たくさん笑って、たくさん感動した2日間でした。

・色んな地域で活動されている方々との交流があり、自分自身が飛騨市の関係人口となれた。

・「ここの地域には様々な観光資源のすぐ側に、住民の生活が融合している」とうい言葉が印象的で、すごく良いと思いました。

・初めての参加でしたが人づくり・地域づくりについて飛騨市の皆さんは行政の方をはじめ地域の方も、イキイキと楽しそうに動いておられてとても前向きで感動しました。

・初めてお会いしたとは思えない位打ち解けることができ、活発な意見交換をすることが出来ました。

飛騨市実践塾 集合写真.JPG

カリキュラム

9月11日(金)

 13:30~13:50 開講式
 13:50~14:40 講義1 都竹 淳也 氏
  「ファンづくりから見出す地域経営 ~飛騨市が関係人口プロフェクトで目指すもの~」
 14:45~15:15 講義2 舩坂 香菜子 氏
  「地域資源を活用したファンづくり」
 15:20~15:50 講義3 髙木 朗義 氏
   「種蔵のこれまでとこれから~関係人口の視点から~」
 15:55~16:15 講義4 渡邉 久憲 氏
  「飛騨の酒のファンづくり」
 16:15~18:20 フィールドワーク 飛騨古川街歩き
  (飛騨古川まつり会館→瀬戸川と白壁土蔵街→渡辺酒造店 酒蔵見学)
 18:30~21:00 交流会

9月12日(土)

  9:00~ 9:40 講義5 松本 剛 氏
  9:45~10:40 グループワーク
 10:40~11:30 発表、市長講評
 12:20~12:30 閉会式

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