【終了レポート】令和2年度地方創生実践塾in京都府宇治市

地方創生実践塾 終了レポート

2020年12月16日

古きをいかし、未来に繫ぐ~自然、歴史、文化を受け継ぎ次世代が選ぶ未来志向のまち~

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令和2年10月30日(金)~31日(土)の2日間、京都府宇治市で、「古きをいかし、未来に繋ぐ ~自然、歴史、文化を受け継ぎ次世代が選ぶ未来志向のまち~」をテーマとして、令和2年度の地方創生実践塾を開催しました。全国各地の自治体職員など18名のご参加をいただきました。

【10月30日(金)】

 最初に宇治市の山本正市長より、歓迎のご挨拶をいただきました。

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◆開催趣旨説明

 主任講師:森 正美 氏(京都文教大学副学長)

 実践塾を通じて「自分のまちに生かせそうなこと」と「自分のまちから宇治のまちに伝えられそうなこと」について、講義やフィールドワークをとおして考えてほしいと説明がありました。また、宇治のまちづくりの良い部分だけに目を向けるのではなく、課題を見つけることが本実践塾の趣旨であることについて、ご説明をいただきました。

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◆フィールドワーク①「訪れたい/住み続けたいまち・ひとの魅力を探る」

(1)宇治茶の業界の変化に触れる

 ①講師:山本 甚太郎 氏(京都宇治茶房「山本甚次郎」)

 百年以上続く茶生産農家、京都宇治茶房「山本甚次郎」の六代目園主、山本甚太郎氏に宇治市におけるお茶づくりの歴史や山本甚次郎のお茶の製造方法について学ばせていただきました。山本甚次郎が所有する店舗と工場は、国選定の重要文化的景観で日本遺産にも登録されている建物で、代々引き継がれる伝統的栽培法にこだわった抹茶の魅力についてご講義いただきました。

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 ②堀井 長太郎氏(株式会社堀井七茗園 代表取締役社長)

 「堀井七茗園」は室町時代に足利将軍によって指定された宇治七茗園と言われる7つの宇治茶園のひとつであり、現存する唯一の七茗園である「奥の山」茶園を所有しています。

 堀井氏は、宇治茶という伝統的なものが普段の生活に入り込んでいる宇治においては、普段の生活を丁寧に営むことが内発的な発展に繋がると話されていました。

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(2)中宇治でのまちなか再生の様子を知る

講師:田辺 泰弘氏(大阪屋マーケット)

 まちなか再生のひとつとして、宇治橋通り商店街にある市場「大阪屋マーケット」では、地元住民に親しんで貰える昭和レトロな活気ある市場を目指し改装が進められていました。

 田辺泰弘氏は、既存店舗離脱への対応や新規出店希望者の審査等、プロジェクトを進めていく中で、ひとつ屋根の下での「共存」「共有」「共感」という視点を大切にしていると話されました。

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◆基調講演「自然、歴史、文化が重層するランドスケープ~次世代が選ぶ地方都市の風景~」

 講師:宮城 俊作 氏(東京大学大学院教授、宗教法人平等院代表役員)

 宇治市のまちづくりの歴史について、平等院における歴史や住民の暮らしの変化を基にお話をしていただきました。特に、中宇治地区のまちづくりは、観光地としてのまちづくりから宇治市住民が生活しやすいまちづくりに転換していくなど、住みたくなる・通いたくなるためのまちづくりの在り方ついて、地域経済の好循環化など具体的手法を用いながらご講義いただきました。

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 ◆主任講師講義「つながりをデザインする-宇治における実践と課題」

 講師:森 正美 氏(京都文教大学副学長)

 JR宇治駅から宇治川までをつなぐ「宇治橋通り商店街」の実践と課題について、大きく分けて「歴史保存」「観光振興」「地域の活性化」をキーワードにご説明していただきました。平等院への一極集中化から回遊型観光地への移行や、若手まちづくり団体による空き家を活用した新規創業者支援など、産学官が連携した観光プロモーションの取組みについて、ご講義していいただきました。

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【10月31日(土)】

◆フィールドワーク②「地域の小さな魅力を深めるために/つなげるために」

 講師:佐脇 至 氏(宇治橋通商店街振興組合理事長)

 産学連携プロジェクトについて、宇治橋通り商店街に「また来たい!」と思ってもらえることを目標に活動を行う文教大学大学生との取り組みを中心にお話をしていただきました。また、コロナ禍における地元商店街で連携した企画「崖っぷち弁当」(持ち帰り弁当)についてお話を伺いました。地元住民に愛される商店街づくりを目指して、斬新な企画や地域住民が参画しやすいイベントについて、ご講義していただきました。

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◆グループワーク・発表・講評

今回の実践塾をとおして、以下3点について、5~6人のグループで検討、共有するとともに、全体で発表し、森氏、宮城氏から講評をいただきました。

① 宇治のまちから自分のまちに生かせそうなこと

② 自分のまちから宇治のまちに伝えられそうなこと

③ 再び訪れたくなるまち、住みたくなるまちとは?

 私のグループでは、①について、民間が主体的に地域活動に取り組んでいること、まちづくりにおけるキーパーソンがいることなどがあげられました。また②については、地域資源の有効活用や地域住民との触れあえる機会の創出などがあげられました。最後に③については、人と人とが繋がりをもつことが住みたくなるまちになるのではないかと意見を発表しました。2日間をとおして、それぞれ異なった立場の方と意見交換することで、今までになかった視点に気づき、宇治のまちづくりの魅力に触れ、大変有意義な時間を過ごすことができました。

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(執筆 酒谷和希 青森県六ケ所村より派遣)

カリキュラム

【10月30日(金)】

・13:00~13:15 開講式-開催地挨拶:宇治市長 山本 正 

 主催者挨拶:(一財)地域活性化センター事務局長 鶴巻 郁夫

・13:15~13:30 ブリーフィング 「開催趣旨等説明」

 主任講師:森正美 氏(京都文教大学副学長)

・13:40~15:30 フィールドワーク①

「まち・ひと再生フィールドワーク:訪れたい/住み続けたいまち・ひとの魅力を探る」

・15:40~16:40 基調講演 

「自然、歴史、文化が重層するランドスケープ~次世代が選ぶ地方都市の風景」

特別講師:宮城俊作氏(東京大学大学院教授 宗教法人平等院代表役員)

・16:40~17:20 主任講師講義 

「つながりをデザインするー宇治における実践と課題」

主任講師:森正美 氏(京都文教大学副学長)

【10月31日(土)】

・9:00~10:00 グループワーク①「1日目の振り返り 」

・10:10~11:50 フィールドワーク②

「地域の小さな魅力を深める/つなげるために1日目のフィールドワークを振り返り、改めてみたいところへ 」

・13:00~14:30 グループワーク②「2日間のまとめ、発表へ」

・14:40~15:20 発表・講評

・15:20~15:30 閉講式 

チラシ

実践塾チラシ.pdf

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